◇国内女子◇JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(12日)◇グレートアイランド倶楽部 (千葉)◇6525yd(パー…
◇国内女子◇JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(12日)◇グレートアイランド倶楽部 (千葉)◇6525yd(パー72)
「昨日の夜から緊張とワクワクと。良い結果で終えられてうれしい」。11月の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテスト合格者20人による争いを制し、18歳の藤本愛菜は満面の笑顔でプロ初タイトルを喜んだ。「泣きながらやったこともあった」過酷なトレーニングを乗り越え、成長を実感していた2025年を最高の結果で締めくくった。
昨年11月、日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームメンバーの一員として最終から臨んだ初挑戦のプロテストは2打届かず不合格に終わった。「すごく悔しかった」という失望を再挑戦へのモチベーションに変え、師事する辻村明志コーチが提案する車のタイヤを用いたトレーニングに励んだ。「引っ張ったり、引いたり、押したり、持ち上げたり…」。一日3時間半、20種類以上にも及ぶメニューを毎日のようにこなした。
クラブを握ることなく、「やりたくない日もあったし、キツ過ぎて吐くこともあった」と話す4カ月ほどのトレーニングは、「土台を作れたし、スイングの形も安定するようになった」という確かな効果を生んだ。何より「やり続けたことの自信が一番大きい。気持ちがすごく強くなった」と振り返る。
第1組のスタート時から風速7m前後の強風に見舞われ、技術とメンタルが試された最終日。2位から3バーディ、1ボギーの「70」にまとめて2打差を逆転し、終わってみれば後続に5打差をつける独走だった。強風時のプレーでは安定が増したスイングに加え、ナショナルチームの派遣競技など海外でプレーした経験もしっかりと生きている。ピンを無理に攻めることなく、グリーンを外したのは2ホールのみ。スコアを落としたのはフィールド最少の1ホール(12番の3パットボギー)に抑えた。
来季前半戦(第1回リランキングまで)の出場権を得ているルーキーシーズンに向け、この冬もタイヤと一日を過ごす日々が待っている。不足を感じているパットのスキルを上げることも喫緊のテーマ。今回の優勝で「今につながっている」と実感を強めたいま、再び向き合う厳しいトレーニングもきっと乗り越えられる。(千葉県長南町/塚田達也)