今週は阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行われる。今年は前哨戦の勝ち馬が不在も、桜花賞・オークス戦…
今週は阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行われる。今年は前哨戦の勝ち馬が不在も、桜花賞・オークス戦線を見据える楽しみなメンバーが集結した。
ここでは、過去10年からスターアニスとマーゴットラヴミーにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■スターアニスに“6年連続馬券内”データ
中京2歳S2着以来のレースとなるスターアニス。芝1200mデビューの本馬にとってマイルは未知の領域だ。当距離の実績馬も多いなか、脳裏によぎる距離への不安……それでもデータ面での強調材料は存在する。
・牡馬混合重賞で3着内あり→6年連続馬券内
直近の勝ち馬は牡馬混合重賞で3着内があった馬。人気薄に目を転じても10番人気3着ドゥアイズ、6番人気3着ユーバーレーベンと好走馬を続々と輩出している。牝馬限定戦において牡馬混合重賞の好走歴は見逃せないファクターだ。
スターアニスについて補足すると、前走中京2歳Sの走破時計は従来の2歳レコードを更新するもの。先週行われた芝1600mの牝馬限定未勝利戦が1分33秒6だったことを考えたとき、しかるべきペースと馬場コンディションなら1分32秒台の決着も視野に入る。決して派手な戦績ではないものの、侮れない1頭だ。
■マーゴットラヴミーに「0.0.0.8」の鬼門
一方で、不安要素が満載なのはマーゴットラヴミー。新馬戦、白菊賞と連勝で勇躍GIの舞台に臨む素質馬。3連勝のGI制覇に期待がかかるなか、浮上したマイナスデータとは?
・前走東京or京都芝外回り以外で逃げ切り勝ち【0.0.0.8】
馬券内馬はおろか、掲示板内を確保した馬すら1頭もいないという有様。前走東京or京都芝外回り以外で逃げ切り勝ち×阪神ジュベナイルフィリーズは“即消し級”が大げさではない鬼門データとなっているのだ。
先に述べたスターアニスと照らし合わせると、レコード勝ちの新馬戦内容から馬場適性は申し分ない。それでも脚質的に厳しい部分は否めず、自身のスタイルに持ち込んだうえでの勝利まで想像しづらいのは確かだ。今回は評価を下げるのが妥当とみる。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 馬柱の隅々まで徹底分析を行い、確かな精度で軸馬・妙味馬を抽出する「馬柱探偵」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在は競馬メディア『Winsight』で予想コラム執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。