今年の韓国プロ野球ドラフトで全体1位指名を受けたパク・ジュンヒョン(キウム)の高校時代のいじめ行為が認定された。 パク・…

今年の韓国プロ野球ドラフトで全体1位指名を受けたパク・ジュンヒョン(キウム)の高校時代のいじめ行為が認定された。

 パク・ジュンヒョンはWBSC U-18ワールドカップで150キロ台中盤の直球を次々と投げ込み、今年最速157キロを記録した超高校級右腕として注目を集めた。複数のメジャー球団から関心が寄せられる中、韓国プロ野球を選択し、契約金7億ウォン(約7400万円)でキウムと契約。指名後の会見では、校内暴力疑惑について「父も言うように、野球より先に人間性が大事。胸を張れる」と語っていた。父は元WBC韓国代表で、24年には巨人3軍の育成コーチ(コーチ研修)も務めたパク・ソクミン(朴 錫珉)氏である。

 韓国メディア「ハンギョレ」によると、忠清南道教育庁行政審判委員会は8日、天安教育支援庁の「校内暴力ではない」とする原処分を取り消し、「校内暴力行為」と認定した。
同じ野球部の被害者は、パク・ジュンヒョンが2023年から雑用の強要や暴言、部内でのいじめを主導し、さらに携帯電話で自身の裸体を無断で撮影するなど、言語的・性的な加害行為があったと訴えている。同メディアに被害を公表した後には出場停止などの二次被害も受け、PTSDや不安・抑うつ障害と診断されたという。

 「OSEN」によると、被害者側は審判過程で、行為の持続性・故意性、運動部特有の上下関係、学校野球部の成績が個々の進路に直結する構造、エース選手を守るための隠蔽の可能性、そして精神面・身体面で大きな被害を受けたことなどを理由に、原処分の不当性を主張した。

 行政審判委員会は、パク・ジュンヒョンが被害者に送った暴言メッセージ、パクの父親が被害者の母親に送った謝罪メッセージ、医療診断書などを総合的に判断し、学校暴力措置1号にあたる「書面謝罪」を命じた。書面謝罪は全9段階のうち最も軽い処分だが、韓国では校内暴力歴が進路や競技生活に影響するケースも少なくない。

 韓国では近年、校内暴力への処分が厳格化されており、スポーツ界も例外ではない。「ハンギョレ」によると、同じキウムのアン・ウジン投手は高校時代の校内暴力が認定され、1号・3号処分を受けたうえで韓国代表の永久資格停止となった。パク・ジュンヒョンも処分内容によってはアジア大会や五輪など、代表入りが不可能となる可能性がある。

 キウムは「選手に事実関係を確認している」とコメント。韓国文化体育観光部傘下のスポーツ倫理センターによる調査も最終段階に入っているという。

 こうした一連の判断と処分を受け、被害者側の法務法人は
「閉鎖的な運動部文化の中で隠蔽されがちな暴力行為を浮き彫りにした事例だ」と評価。
「高校野球部ではチーム成績が最優先され、エース選手の不祥事が黙認されやすい構造的問題がある」と指摘した。また、この決定が明らかになった後、他の被害を訴える連絡や情報提供も相次いでいるという。