来年開催されるワールドカップの組み合わせが決まった。日本代表は、オランダ、チュニジア、そしてスウェーデン/デンマーク/…
来年開催されるワールドカップの組み合わせが決まった。日本代表は、オランダ、チュニジア、そしてスウェーデン/デンマーク/ポーランド/アルバニアの中からプレーオフを勝ち進んだチームと顔を合わせるグループFに入った。また、抽選会が終わったことで他グループの様子、さらに、会場やキックオフの日時も固まった。日本代表が目標である頂点へ勝ち上がるための道筋を、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が徹底的に論じ合った!
■「世界ベスト8」とどう戦うか?
――オランダはポット1のチームの中でも、くみしやすい相手と言えますか。
後藤「ポット1には、カナダとかがいるじゃない。でもまあ、アルゼンチンやフランスよりはましだよなって感じ」
大住「ベルギーあたりも少し戦力が落ちている感じがするけど、オランダはまだまだ世界のトップ10の中で争う力を持っている。ベスト8くらいに進む力は持っていると思うんだよね。だから、そのチームに対して、初戦をどう戦うかというのはすごく大事だよね」
――勝つこともそうですが、落とさないことも大事になります。
大住「そうそう、だから、負けるにしても1点差に抑えるとかね。3位になってもグループ突破の可能性があるんだし」
後藤「初戦が大事なのは間違いないけど、初戦に負けたらおしまいということは全然ない。初戦に負けて優勝したチームはいっぱいあるわけだから」
大住「前回大会で優勝したアルゼンチンが、まさにそうだったね」
■短くなっていく「試合間隔」
――そうなると、第2戦が運命の分かれ道になりそうです。
大住「チュニジア(FIFA世界ランキング43位)は非常に難しい相手だけど、ここで勝点3をしっかり取らないといけないよね。初戦から中5日で臨む大事な試合だ」
後藤「最初は中5日なんだけど、中4日、3日と、だんだん試合間隔が短くなっていく」
大住「そうだね。グループ最終戦からラウンド32までの間は3日しかない」
後藤「中3日でブラジル、あるいはモロッコとの試合だから、大変だよ」
大住「だから、やはり1位か2位になりたいよね。3位だとさ、本当にどの会場に行くことになるか分からないから」
後藤「そうそうそう、それがイヤなんだよ。中3日でも次の会場がどこか分かっていれば、それなりの対処法があるけどね」
大住「調べてみて驚いたんだけど、昔24チーム参加のワールドカップで、3位のチーム4つが次のラウンドに上がったことがあったでしょ。6つの3位チームのうちから4チームが勝ち上がる場合、組み合わせの可能性は15通りなんだよね。ところが3位になった12チームのうち8チームが勝ち上がるとなると、その組み合わせは495通りにもなるんだよ。可能性をまとめた表なんて、つくっていられないよね。もちろんFIFAはつくっているんだろうけど。頭のいい人がやってるんだろうから」
後藤「それはすごいね。しかし、FIFAに頭がいい人はいるのかな」
大住「スタッフにはたくさんいるんだよ。ただし、トップが…」
後藤「あの人(ジャンニ何某=第9代国際サッカー連盟FIFA会長)も頭が悪いわけじゃない。やることが悪い」
大住「志が低すぎるよね」
後藤「そうそう、頭はいいんだろうけどね」
■初戦と2戦目の「選手起用」は?
――初戦と2戦目の間が中5日だとすると、選手の起用法も考えないといけません。
後藤「いろいろな考え方があるけど、何より初戦の結果によるよね。1戦目に負けたら、次は勝たないとまずい。理想は2連勝してグループ突破を決めちゃって、3戦目でローテーションすることだね」
大住「日本代表のこの2年くらいの戦いを見ていると、先発をガラッと変えることは、あまり良い結果を生まないんだよね。3戦目まで、1試合ずつ少しずつ変えていかないといけない。2戦目の早い段階で勝負をつけて、後半に主力を休ませるとかね。そういうことをしないと、チームが崩れていくんじゃないかと思う。いきなり先発を8人、9人と入れ替えるのは難しい。森保一監督の腕の見せどころだと思うね」
後藤「今は1試合で5人交代できるんだから、いろいろな回し方ができるよ」
大住「ラウンド32でも、試合中の選手交代で、最後に力を出せるようにするとかいう考え方をしていかないと、目標である決勝までにはたどり着けないんじゃないかな」