先月25日に16年の生涯を閉じたジェンティルドンナ。印象的なレースは数多くあるが、生涯最低人気となる4番人気で勝利し…
先月25日に16年の生涯を閉じたジェンティルドンナ。印象的なレースは数多くあるが、生涯最低人気となる4番人気で勝利したのが14年の有馬記念。有終の美を飾った一戦を振り返ろう。
現役ラストイヤーのジェンティルドンナは京都記念を叩き、ドバイシーマクラシックで海外G1初制覇を果たした。帰国初戦の宝塚記念では9着に敗退。秋を迎えても天皇賞(秋)が2着、ジャパンCが4着と煮え切らないレースが続いた。当初、陣営はジャパンCをラストランとする可能性を示唆していたが、レース直後に有馬記念に向かうことを発表。ファン投票でゴールドシップに次いで2位となる55699票を集め、最後の戦いに向かった。
初めてとなる中山への適性が疑問視されて、4番人気に甘んじたが、この日のジェンティルドンナは素晴らしい輝きを放った。枠順抽選会で最初に指名され、石坂正調教師が選択した絶好の「4番」からスタートを決めると、道中は3番手を追走。スローペースでは最高の位置取りだった。迎えた直線で前を捕らえると、追ってきたトゥザワールドやゴールドシップ、ジャスタウェイらの2着争いを尻目にフィニッシュ。初コンビとなる戸崎圭太騎手の好リードに導かれ、ラストランで7つ目のGI獲得となったのだった。
ジェンティルドンナは母としても優秀だった。ジェラルディーナが22年のエリザベス女王杯を制し、母仔2代のGI制覇を達成。先月24日には初孫のカフェラバーが新馬勝ちを果たした。残念ながら16歳での早世となったが、その血は脈々と受け継がれていくに違いない。