FIFAワールドカップ2026出場国紹介 チュニジア 来年のFIFAワールドカップ北中米大会グループFで、サッカー日本代…

FIFAワールドカップ2026出場国紹介 チュニジア

 来年のFIFAワールドカップ北中米大会グループFで、サッカー日本代表との対戦が決まったチュニジア。予選を圧倒的な成績で本大会出場を決めた、北アフリカの強豪はどんなチームか。

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【アフリカ予選を「無敗・無失点」で本大会へ】

 アフリカの強豪国のひとつに数えられるチュニジアは、今大会で3大会連続7回目の本大会出場となる。そして日本と同じグループFに入り、2002年日韓大会以来の同組となった。


アフリカ予選を無敗で突破してW杯に出場するチュニジア

 photo by Getty Images

 チュニジアのW杯における歴史と言えば、初出場の1978年アルゼンチン大会でメキシコを3-1で破り、アフリカ勢としてW杯初勝利を挙げたことだ。しかし、歴史的な一勝を記録した同国だが、これまで出場した6大会ではすべてグループリーグ敗退。大きな壁となっている。

 それでも2018年ロシア大会では、パナマに2-1と40年ぶりにW杯で勝利し、2022年カタール大会では前大会王者のフランスを1-0で破るという、世界を驚かすアップセットを演じた。

 そのカタール大会出場に導き、フランス撃破の立役者となったジャレル・カドリ監督指揮の下で、今予選もスタートした。初戦のサントメ・プリンシペに4-0、次戦のマラウィにも1-0と好調な滑り出しだったが、2024年1月のアフリカネイションズカップでは3戦未勝利でグループステージ敗退となり、カドリ監督が解任された。

 その後3人の監督交代を経て、2025年2月に同国元代表でもあるサミ・トラベルシが2度目の監督に就任した。新体制となったチュニジアは予選での好調をキープし、9勝1分と無敗で本大会への切符を手にした。

【自慢の堅守】



 トラベルシ監督が作り上げるチームの特徴は、予選を失点ゼロに抑えた堅守だ。4-5-1、あるいは4-4-2の守備ブロックはとにかくコンパクトさを徹底し、相手に有効なスペースを与えない。チームとしての守備の機能性が、チュニジアの鉄壁を支えている。

 その守備ブロックの中心となるのがエリス・スキリ(フランクフルト)やフェルジャニ・サッシ(アル・ガラファ)らの中盤である。なかでもスキリは、豊富な運動量による広いカバー範囲と優れたボール奪取能力で、チームの中核をなしている。

 攻撃では元マンチェスター・ユナイテッドのハンニバル・メイブリ(バーンリー)やエリアス・サード(アウクスブルク)といったタレントを擁し、自慢の堅守から鋭いカウンターを仕掛ける。

 近年、徐々に力をつけてきているチュニジアは、北中米大会で24年ぶりに日本との対戦となるグループFで、史上初のグループリーグ突破を狙う。