◇米国女子◇Qシリーズ(予選会) ファイナルステージ 最終日(9日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシン…
◇米国女子◇Qシリーズ(予選会) ファイナルステージ 最終日(9日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングズコース(6664yd/パー72)、フォールズコース(6643yd/パー71)
最終9番、パーパットが強く入って返しも外したダブルボギーが心底悔しい。櫻井心那は、最後に失った2打が新天地の出場優先順位に影響を与えないか気になって仕方ない様子だった。通算8アンダー10位タイは間違いなく上位通過となり、順位付けは序盤戦でのフィールド入りを左右するものではない。「まだ実感はないですけど、長かったです」と少しホッとしたように言った。
悪天候による初日順延と短縮競技、連日の日没サスペンデッド、厳しい寒さ…。フロリダ州で臨んだ2次予選会をトップ通過して乗り込んだアラバマ州で、予想以上に過酷な戦いを強いられた。
国内ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」を終えてすぐの渡米で、開幕前に体調不良でダウン。「練習日とかは『もしかしたら棄権もあるかな』って思うくらい、ずっと寝ていたので。でも、どこでも寝られるので、睡眠をいっぱいとれたのは良かった」。本来の開幕前日だった3日(水)は静養に努め、さらに1日遅れのスタートとなったことも結果的に回復をアシストした。
前日の最終ラウンド9ホールで3バーディを奪って暫定2位まで浮上し、この日も危なげなく25位タイまでのボーダーラインをクリアした。気持ちよく1Wを振れる米国のコースの広さを早くも気に入りつつ、ピンを狙いやすいアングルの逆算などマネジメント能力がいっそう問われるとも感じている。
2022年に18歳で出場したインドネシア開催の「シモーネ アジアパシフィックカップ」をきっかけに米ツアー挑戦を志した。憧れのキム・ヒョージュ(韓国)との邂逅を果たし、思いは加速した。「『まだ早いかな』と思った時もあったけど、『早く行かないと』って焦ってる気持ちもあって。こうして通れてひと安心だし、またモチベーションが上がりました。もっと頑張らないとダメなので、もっと頑張ります」。まだスタート地点に立っただけだと理解している。
すぐに帰国してオフシーズンのスポンサー関連の仕事をこなしながら、米参戦の準備を進める。ゴルフの課題に対して貪欲な姿勢を崩さない一方で、食事などの転戦生活の不安を問われると笑顔で首を横に振った。「あんまりないですね。英語がしゃべれないくらい。でも、しゃべれるようになりたいな。自然が好きなので、山登りとか、滝とかも見に行きたいですね」。新たな舞台はワクワクに満ちている。(アラバマ州モビール/亀山泰宏)