2025年高校野球の公式戦が終了した。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返って…

2025年高校野球の公式戦が終了した。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返ってみたい。

 岩手県では花巻東が史上初の夏3連覇の偉業を達成した。センバツに出場し2勝を挙げ8強入り。投打に強さを誇って結果を出したが、春季大会ではまさかの県大会初戦で盛岡一に1点差の惜敗。最終回に猛追を図ったが、あと1歩及ばず敗れた。センバツ出場チームが夏をノーシードで迎えるピンチとなった。

 しかし、精神的にタフなナインは、18年ぶりノーシードの「屈辱」を力に変えた。初戦で盛岡中央、3回戦で一関学院と大会序盤から強豪と対戦するも次々と勝利を収めた。春を制していた名門・盛岡大付との決勝では、13安打を放って勝利。5回に一挙6得点の集中打が光った。

 2年生エース左腕の萬谷 堅心投手(2年)に、右スラッガーコンビの古城 大翔内野手(2年)と赤間 史弥外野手(2年)の投打の軸が力を見せた。主将でもある古城は、夏の大会は1本塁打を含め打率は5割を超え、6試合中4試合コールド勝ちのけん引役を務めた。赤間は左腕としても活躍。甲子園でも投打二刀流ぶりを発揮し、来年の飛躍を感じさせた。チームは秋も制し東北大会でも優勝。来年センバツでも優勝候補に名前が挙がる。

 春優勝の盛岡大付、秋準優勝の一関学院のほか、公立校の久慈が存在感を示した。昨年秋に県3位となり東北大会出場を決めたが、今年の春は準優勝。東北大会でも1勝を挙げて8強入りし、夏も4強入りを果たした。全国大会で準優勝した久慈市近郊の中学3年生による選抜チーム「久慈DREAMS」の18人中、15人が集結。全国でもトップレベルの「素材」が集まり、岩手で一暴れした。甲子園への出場こそならなかったが、夢を追いかけた球児の奮闘は賞賛に値する。