23年2月にジョッキーを引退した福永祐一元騎手。結果的に最後のJRA重賞制覇となったのが22年のカペラSだった。鮮や…

 23年2月にジョッキーを引退した福永祐一元騎手。結果的に最後のJRA重賞制覇となったのが22年のカペラSだった。鮮やかな追い込みを決めた3年前の一戦を振り返る。

 この年のカペラSは上位伯仲ムードだった。1番人気は3.9倍で古豪のリュウノユキナ。2番人気は5.2倍で重賞初制覇を目指す3歳のリメイク。以下、アティード、クロジシジョー、オメガレインボー、エアアルマスまでの6頭が単勝オッズ1桁台だった。

 レースは逃げたハコダテブショウをヤマトコウセイ、ヒロシゲゴールドなどが追いかけて、前半600mが32秒2の超ハイペースとなった。直線に向いてハコダテブショウが粘り込みを図るが、さすがに残り200mで一杯に。これに好位追走のジャスティンが襲い掛かるが、大外から1頭、桁違いの脚を使う馬がいた。福永祐一騎手に導かれ、道中は後方で脚をためていたリメイクである。一瞬で先行勢を捕らえると、そのまま後続を突き放してゴール。2着のリュウノユキナに4馬身差の圧勝で重賞初制覇を果たしたのだった。

 福永騎手はレース3日前にあった調教師試験の合格発表後、初の重賞騎乗で勝利。そして結果的にこれが最後のJRA重賞制覇となった。そういった意味で、多くのファンの記憶に残り続けるレースとなったに違いない。