来季J2に降格するアルビレックス新潟の新監督に決定しているクラブOBの船越優蔵氏(48)が9日、デンカビッグスワンスタジ…

来季J2に降格するアルビレックス新潟の新監督に決定しているクラブOBの船越優蔵氏(48)が9日、デンカビッグスワンスタジアムで就任会見を行った。

「私のサッカー人生の中で大きなウエートを占めているクラブの監督を務めさせていただくということで、責任を感じている」。船越監督は就任の心境を話した。新潟がJ2だった02年、J1初昇格のための攻撃の要として大分から移籍。03年のJ2優勝、J1昇格に貢献した。当時の194センチの大型FWが、今度は指揮官としてJ1復帰の大きな期待を背負ってチームを率いる。

自身のキャリア初のJクラブ監督の場が、古巣になった。新潟は今季、4勝12分22敗の勝ち点24。断トツの最下位20位でJ2降格。再建が最初の使命だ。他クラブから指導スタッフのオファーがある中、「苦しい時だからこそ力になりたい。お世話になったクラブ、地域に恩返しをしたい」と新潟行きを決めた。

自身の選手時代と比べ「スタイルが変わった」とボール保持が土台にあることを認識した。一方で「変えてはいけないところがある。そこが薄れている」。当時のチームの鉄則が最後まで走り抜き、球際で厳しく戦う姿勢。「相手よりも多く走って、相手よりもユニホームを汚すのが新潟」と、自身が体現したプレーを選手にも求めていく。

04年、新潟のJ1初参戦時の正GKで、次期社長に決定している野沢洋輔営業本部長(46)と、MFの寺川能人強化本部長(51)に脇を固められるようにして会見に臨んだ。「まさかこういう形で仕事をするとは思っていなかった。頻繁に連絡を取っていたわけでもなかったので。それがまた一緒にできるというのは、何かの運命。偶然ではない」と話す。

同時に「ダメだったらアウトにしてくれ、と、2人には話してある」。気心知れているからこそ覚悟も強い。「目の前の試合に全力を尽くす。その積み重ねが昇格につながる」と意決意を言葉にした。

◆船越優蔵(ふなこし・ゆうぞう)1977年(昭52)6月12日生まれ、兵庫県出身。国見高(長崎)から96年にG大阪に入団。02年に大分から当時J2の新潟に移籍し、06年まで所属。10年に現役引退後、11年から新潟ジュニアユース(現U-15)の指導者に。JFAアカデミー福島の監督などを経て、23年にU-18日本代表監督に就任。今年はU-20日本代表監督として同W杯チリ大会でベスト16入りした。