【明治安田J1昇格プレーオフ2025準決勝 ジェフユナイテッド千葉vsRB大宮アルディージャ 2025年12月7日(日)…

【明治安田J1昇格プレーオフ2025準決勝 ジェフユナイテッド千葉vsRB大宮アルディージャ 2025年12月7日(日)13:04キックオフ フクダ電子アリーナ】撮影/原壮史(Sony α1使用)

■重すぎる3点ビハインド

 これぞ、奇跡と呼ぶにふさわしい。J1昇格プレーオフ準決勝、3位の千葉と6位の大宮の一戦は、あまりに劇的な展開となった。

 両チームとも気迫十分の中で迎えたキックオフ。立ち上がりは、ホームのスタンドを黄色に染めたサポーターの大声援を背に千葉が猛攻を見せる。強度の高い球際でのプレーでボールを奪い、勢い良く前進し、積極的にシュートを放って大宮ゴールを脅かした。

 だが、スコアは動かない。大宮はGK加藤有輝の好守でピンチを切り抜けて0-0を維持し、杉本健勇が攻守で高い献身性を発揮すると、徐々に大宮も盛り返す。20分、コーナーキックでマイナスに戻してからのクロスをファーの市原吏音がヘディングで折り返すと、ゴール前でフリーとなった泉柊椰が決めてスコアを動かした。

 見事な連係から先制した大宮は一気に勢いづく。32分には関口凱心にもゴールが生まれ、2点差で前半を終えた。

 重いビハインドを背負って前半を終えた千葉。前半立ち上がりの良い時間帯を再現したいところだったが、さらなる重荷を背負う。

 後半開始早々にコーナーキックを獲得した大宮は、ショートコーナーを選択。千葉は先制の場面と同じファーへのクロスを警戒したものの、今回はエリア外のアルトゥール・シルバがミドルシュートを突き刺した。駆け引きを制した大宮が3点のリードを奪った。

■フクアリの雰囲気を一変させたゴール

 決定的な3点目を奪った大宮だが、その後も勝利に向かって気合十分な戦いぶりを続け、油断することなく試合を進めていった。

 決勝進出には3点が必要な千葉は、71分にカルリーニョス・ジュニオのゴールで1点を返したものの、大宮は即座に選手たちが集まって戦い方を確認。受けるのではなく前を目指して試合を終わらせにかかった。

 しかし、大宮にアクシデントが発生。中盤のキーパーソンであるアルトゥール・シルバが足を痛め、交代成立までの間に数的不利に陥った。チャンスを千葉は逃さず、エドゥアルドの弾丸ミドルで1点差に迫った。

 このゴールでフクアリの雰囲気はがらりと変わった。人数の揃った大宮さえも完全に雰囲気にのみ込まれ、83分にデビュー戦となったアカデミー出身の姫野誠が技ありのゴール。ついにスコアを3-3とした。(※引き分けならば上位チームが勝ち上がり)

 さらに87分には河野貴志もゴールを奪って4-3。勝敗は決したと思われた0-3から、まさかの大逆転劇を完成させ、千葉が17年ぶりのJ1昇格へ王手をかけた。

 13日に行われる決勝の相手は徳島に決定。再びホーム・フクアリの最高の雰囲気のなかで戦えることは、引き分けでも昇格よりも、大きなアドバンテージになるだろう。

■試合結果

ジェフユナイテッド千葉 4-3 RB大宮アルディージャ

■得点者

20分 泉柊椰(大宮)
32分 関口凱心(大宮)
48分 アルトゥール・シルバ(大宮)
71分 カルリーニョス・ジュニオ(千葉)
77分 エドゥアルド(千葉)
83分 姫野誠(千葉)
87分 河野貴志(千葉)

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