「日本一曲がらない男」の称号が10季ぶりに動いた。今年のフェアウェイキープ率賞に輝いたのはプロ9年目の31歳、勝亦悠斗…

新「日本一曲げない男」に輝いた勝亦悠斗

「日本一曲がらない男」の称号が10季ぶりに動いた。今年のフェアウェイキープ率賞に輝いたのはプロ9年目の31歳、勝亦悠斗。2015年からトップを守り続けた絶対王者・稲森佑貴を上回る79.3%で初の戴冠となった。

これまでの最高記録は2023年の69.1%(全体2位)だった。10季連続で“稲森賞”になりかけたところを阻止し、「ちょっと気まずいです」と笑う。「素直にうれしい。稲森選手の方が出ている試合が多いのもあるけど、自分のプレースタイル的に目標にしていた部分でもある」と喜びを語った。

ライバルの出現は稲森も気になっていたようで、勝亦は「以前はそんなたくさん話す仲でもなかった。(中盤戦くらいから)顔を合わせると、『きょうフェアウェイ何回だった?』って聞かれたり」と裏側を明かす。予選同組となった11月「カシオワールドオープン」では、ティオフ前に“フェアウェイキープ率1位&2位”として紹介され、「そこはめちゃめちゃ緊張しました。稲森選手も『打ちづらい(笑)』って言っていて」。賞金王レースとは別で、それだけ注目されていた証しともいえる。

今季は6月の下部ツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ」でプロ初優勝を挙げた。レギュラーツアーには17試合に出場し、予選落ちは7回。最高位は8月「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント」の27位にとどまった。「今年はパターに苦しんだ。FWキープのアドバンテージを生かせなかった。そこを改善しつつ、良いところは伸ばしていけたら」と課題の修正に取り組む。

前半戦の出場権を得ている来季は、シード権の確保を目標とする。「僕がシードを獲れたなら、必然的にFWキープ率も良いということ。そのときに1位なのか2位なのか、上位にいられたらいいな」と2季連続の戴冠も見据えた。「来年は80%を超えたいです!」。新たに手にした称号を簡単に譲る気はない。(編集部・合田拓斗)