2025年高校野球の公式戦が終了した。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返って…
2025年高校野球の公式戦が終了した。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返ってみたい。
長崎県では、夏甲子園に出場した創成館が歴史を作った。初戦の開幕戦を制すると、2回戦では九州対決となった神村学園(鹿児島)戦で1対0で勝利。九州を代表する強豪を倒し、チーム初の夏甲子園2勝をマークした。
右腕エースは、甲子園を本拠地とするプロ野球・阪神のスラッガーと同姓同名の森下 翔太投手(3年)。打席に立てば、アルプスから阪神・森下のテーマ曲が流れるなか、適時打を放つシーンもあり、ネットも含め話題を振りまいた。阪神・森下も「頑張ってほしい」とエールを送るなど「森下ブーム」が沸き起こった。そんな周囲の後押しもあってか、森下は初戦の開幕戦で1失点完投勝利。2回戦の神村学園戦では、先発6回まで無安打に抑えた背番号11の奥田 晴也投手(3年)との「完封リレー」を達成させた。奇しくも阪神ドラフト4位指名を受けた神村学園・早瀬 朔投手(3年)にも勝利したことになる。
秋季大会では長崎日大が3季ぶりの優勝を果たし、九州大会でも準優勝して来年春のセンバツ出場を確実にした。夏甲子園出場の創成館を準々決勝で倒すなど、名門が3年ぶりとなるセンバツの舞台で飛躍を狙う。
県内でも有数の進学校・長崎西が、優勝した1955年以来、70年ぶりとなる秋決勝の舞台に上がった。3回戦で春優勝の海星をタイブレークの末に破るなど、快進撃。47季ぶりに九州大会に出場すると、初戦で佐賀大会を制した唐津商に勝利し、1998年春以来、27年ぶりの九州大会白星を飾って8強入りを決めた。準々決勝では、のちに明治神宮大会で優勝する九州国際大付(福岡)に0対5で敗れたが、21世紀枠の長崎県推薦校に選ばれ、4強入りした1951年以来、75年ぶりのセンバツへ夢をつないでいる。1981年夏甲子園初戦で、名古屋電気(現・愛工大名電)の工藤公康投手(プロ野球西武など)にノーヒットノーランを喫して以来となる甲子園出場の夢はかなうのか。