オランダのW杯での苦闘を予測したスナイデル(C)Getty Images メキシコと南アフリカのカードで幕を開ける、来年…

オランダのW杯での苦闘を予測したスナイデル(C)Getty Images
メキシコと南アフリカのカードで幕を開ける、来年6月の北中米ワールドカップ。1994年のアメリカ大会以来となる北米大陸での開催は、史上初となる3か国共催(カナダ、アメリカ、メキシコ)とあって小さくない注目を集めている。
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そして、現地時間12月5日には出場各国のグループリーグでの組分けが決定。いよいよ機運が高まる中で、日本と同じF組に入ったオランダの国内では、レジェンドOBたちが現代表に対するシビアな評価を口にしている。
F組は確かに一筋縄ではいかないグループとも言える。アジア予選をぶっちぎりで突破した日本に加えて、チュニジア、そしてウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアが争う欧州プレーオフBの勝者と激突する。
仮にここを突破したとしても、ラウンド・オブ32で待ち受けるのは、ブラジル、モロッコ、スコットランド、ハイチのいずれか。今大会が初出場となる小国家であるハイチは、地力で劣る感が否めないが、それ以外の3か国はタレント揃いの難敵だ。
とはいえ、だ。オランダもヨーロッパの主要リーグでのクラブでレギュラーを張るタレント大国。フィルジル・ファンダイク(リバプール)やフレンキー・デヨング(バルセロナ)、シャビ・シモンズ(トッテナム)など攻守両面で他国に劣らない力はあると言えよう。
しかし、国内でのロナルド・クーマン体制下のチームに対する論調はシビアだ。米スポーツ専門局『ESPN』のオランダ版の番組に出演した元代表戦士であるヴェスレイ・スナイデル氏は「日本は走力に優れ、機動力を持ったチームで手強い相手だ。実際に2010年に対戦した時には僕らも苦戦した。それに今の彼らは勝ち続けている」と初戦で対峙する森保ジャパンへの警戒を強めた上で、こう続けている。
「今の代表(オランダ)がワールドカップって勝てるかって? いや、そうは思わない。それは単純に他の国の方が強いと思うからだ。クーマン監督のオランダが再びタイトルを獲得できることを願ってはいるけど、もう信じてはいない。過去5年間、僕らの代表は一度も強豪国に勝ってないからね」
戦力を考えれば、衝撃的な予測だ。しかし、厳しい見解を示すのは、スナイデル氏だけではない。かつて同時期にオランダ代表として活躍した名手ヘドヴィヘス・マドゥーロ氏も国内メディア『Sport Nieuws』において「もちろんグループ突破はするだろう」と前置きした上で「簡単じゃない戦いが待っている」と警戒を口にした。
「正直に言って評価は難しい。私は率直に日本がグループ入りした瞬間に、『これは本当に厳しくなる』と思った。彼らは戦術的にも技術的にも優れており、常に規律あるプレーをする。対戦するには非常に難しい相手だ。しかも、最近、最強チームであるブラジルにも勝利している(3-2)。これは我々の代表に取っても大きな意味がある」
日本では「格上」と見られているオランダ。しかし、国内では思いのほか余裕はないようである。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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