中国でのW杯を通して猛烈なブーイングを浴びた張本(C)Getty Images 日本のエースが浴びせられた激しいブーイン…

中国でのW杯を通して猛烈なブーイングを浴びた張本(C)Getty Images

 日本のエースが浴びせられた激しいブーイング、そして“非礼”が物議を醸している。

 現地時間12月7日、中国・成都で五輪新種目となる卓球の混合団体ワールドカップ(W杯)の決勝が行われ、日本は1-8で中国に完敗。惜しくも大会制覇を逃した。

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 大会を通して問題となったのは、日本の張本智和に対する地元ファンの反応だ。

 日中関係の悪化が影響しているのか、23歳を中国ファンは強く“敵視”。試合中には対峙する選手への声援はもちろんのこと、張本がミスをした際に拍手喝采がおきた。逆に得点時には猛烈なブーイングと野次に晒された。

 あまりに異常な状況に相手選手からも同情の声が上がった。ステージ2で対戦したフランスのシモン・ゴジは自身のXで「私たちは今日、トモカズを本当に気の毒だったと思った」と投稿。敵視され続けた日本人エースの心境を慮った上で「彼があんな状況になるのを見るのは辛かった」と率直な想いを記した。

 他国の選手が「本当に気の毒」と発信するほどの異常な雰囲気は、中国国内でも問題視されている。スポーツメディア『新浪体育』は「張本智和は不公平な扱いを受けた」とリポートし、「日本のエースは、ほとんどの試合で中国ファンのブーイングに晒されてきた。香港戦の前には観客から非礼な一言を浴びせられもした」と伝えた。

 また、今大会の日韓戦の前に名前を誤ってアナウンスされるトラブルもあった張本。精神的に穏やかではなかったであろうエースの現況に対して、「中国系の選手が、父母の故郷で試合をするというのに、なぜこんな状況に陥るのだろうか」と投げかけた。

「張本智和は幼いころからずば抜けた才能を見せ、日本のために戦うことを選択した。そして彼は、代表に選ばれるようになったころから『中国を倒す』という強い言葉を口にしてきた。そうした背景も中国のファンに影響を与えた可能性は大いにある。ただ、彼の置かれた苦しい立場は、他の誰も体感できないものだ。とりわけ中国チームを相手にした場合には、勝てば中国ファンから罵られ、負ければ日本でも評価されないという苦境にあるのだ」

 また、同メディアは決勝後に「色々なことがあったので、一つひとつ口に出す必要はない。2位になってノーサイドでスッキリした気持ちもある。今大会で受けたものを忘れることはないです。何より中国の選手には何も非がない」と振り返った本人のコメントを引用し、「彼の言葉に、裏があるのは明らかだ」と読み解いている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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