アブダビの地でも決勝で結果を残せずに苦戦を余儀なくされた角田(C)Getty Images レッドブルの角田裕毅は、現地…

アブダビの地でも決勝で結果を残せずに苦戦を余儀なくされた角田(C)Getty Images

 レッドブルの角田裕毅は、現地時間12月7日に行われたF1の今季最終戦となるアブダビGPで14位と振るわず。ドライバーズランキング17位で1年を終えた。来季はF1でのレギュラーシートを失い、レッドブルでテスト兼リザーブドライバーとして裏方に回る。

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 来季のシートを失ったレギュラードライバーは角田だけ。厳密に言えば、第6戦エミリアロマーニャGPを最後にフランコ・コラピントにシートを奪われたジャック・ドゥーハンもいるが、アブダビGP決勝を走ったメンバーの中で、続投できなかったドライバーは角田以外にはいない。

 昨季までレッドブルでセカンドドライバーを務めたセルジオ・ペレスも自身のSNSで角田の力量不足を暗に指摘した。

 F1に関する風刺イラストなどがアップされるアカウント『F1 Trol」の投稿を引用したペレスは、映画「アベンジャーズ」シリーズに登場するキャラクター「サノス」に自身の顔をコラージュ。画像に印字された「Perhaps I treated you too harshly(おそらく、君には厳しすぎた)」との字幕文字を強調するように「Perhaps(おそらく)」とつづった。

 レッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンは、ポールポジションに立った最終戦のアブダビGPを含めて今季8勝を挙げ、計421点をマークしたが、一方の角田はわずか33点。コンストクラクターズタイトルを2年連続で奪えず、フェルスタッペンをチャンピオンに導くことができなかった。車体のアップデートのタイミングが遅く、チームクルーの凡ミスに振り回されることもあったが、一連の“不運”も実力のうちだ。

 ちなみにペレスが在籍した2024年を見ると、セカンドドライバーの貢献度が分かる。

 この年のフェルスタッペンは7勝、437点をマークしてドライバーズタイトルを獲得したが、ペレスも不振を叩かれながら表彰台に4度も立ち、152点をマーク。その点数分だけ、他チームは得点を減らしたことになり、間接的にチームメートのタイトル獲得をアシストした。

 角田の低迷ぶりが余計にペレスがレッドブルにおいて、いかに「陰の功労者」であったかを際立たせ、名誉を回復させることになったわけだ。そのペレスも来季は新チームのキャデラックで2シーズンぶりにレギュラーに復帰する。コンビを組むのはこちらもメルセデス時代にルイス・ハミルトンの相棒として献身的に支えたバルテリ・ボッタスだ。いわば、“最強セカンドドライバー”の2人が復権を果たすことになる。

 角田にとっては、上位に絡むことができず14位に終わったアブダビGPの走りが、今季を最も象徴していたと言えよう。本人も「まだ終わったわけではない」とSNSで不屈の闘志をうかがわせる内容の投稿を更新したが、あまりに消化不良のシーズンを過ごしただけに、このまま、すごすごとF1から撤退するわけにはいかないのだろう。

 今は角田にも名誉挽回の機会が待たれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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