カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪の最終予選第3日は7日(日本時間8日)、カナダのケロウナで1次リーグが行われ、女…

 カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪の最終予選第3日は7日(日本時間8日)、カナダのケロウナで1次リーグが行われ、女子日本代表のフォルティウスは豪州を7―5、チェコを10―3で下した。唯一の開幕4連勝で単独首位に立った。

 男子代表のSC軽井沢クラブはポーランドを10―7で破り、通算2勝1敗と白星を先行させた。

 男女4人制は、各8チームがそれぞれ二つの五輪出場枠を争う。総当たりの1次リーグを行い、上位3チームがプレーオフへ。1、2位による決定戦の勝者が1枠目を獲得。敗者と3位が2枠目を懸けてぶつかる。

 普段光の当たらない「5人目」が存在感を発揮した。

 女子代表のフォルティウスは大会前日に腰を痛めたサードの小野寺佳歩が大事をとって豪州戦を欠場。代わりにリザーブの小林未奈がセカンドとして今大会初出場を果たした。

 氷上でプレーする4人と異なり、いつもはコーチボックスが定位置だ。大会中は全試合が終了したあとの会場に残り、翌日に使う石の曲がり具合や滑り方を確かめる大事な仕事を担う。だが、主力の故障で前夜、チーム最年少の23歳に白羽の矢が立った。「いつか出るかもしれないと準備してきた」

 前夜は寝つけず、終始緊張していたというが、堂々としたプレーぶりを見せた。同点の最終第10エンドの1投目は、円心付近にある相手の石の芯を捉えてはじき出す好ショット。理想的なお膳立てで後続につなぐと、スキップの吉村紗也香が難しい最終投を決めて接戦をものにした。夜のチェコ戦で復帰した小野寺は「私たちは5人誰が出ても勝てるチーム。本当に頼もしく、プレーオフを見据えて体を整えることができた」とたたえた。

 起用には将来のために大舞台を経験させる狙いもあった。「絶対に出場枠を取るため、変わらずいい心と体の準備を進めていきたい」と小林。選手が入れ替わりながら長年強豪であり続けるフォルティウスの厚みが見えた。(ケロウナ=清水優志)

■男子、アクシデントにも冷静

 SC軽井沢クラブはポーランド戦で相次ぐアクシデントに見舞われた。試合途中でセカンド山本遵(たける)がひざの違和感を訴え、第3エンド(E)からリザーブの臼井槙吾(しんご)が急きょ出場。1点リードの最終第10Eは場内の照明が突然落ちたが、落ち着いた組み立てで反撃をしのいだ。スキップの山口剛史は「今までだと動揺していたが、なんとも思わないようになってきた。やっと世界に慣れてきた」とほおを緩めた。