引退競走馬たちによる馬術大会「RRC(Retired Racehorse Cup・引退競走馬杯)」。その決勝大会にあ…
引退競走馬たちによる馬術大会「RRC(Retired Racehorse Cup・引退競走馬杯)」。その決勝大会にあたる「RRC FINAL 2025」の馬場馬術と障害馬術が7日、東京都世田谷区のJRA馬事公苑で開催された。馬場馬術には24年七夕賞覇者のレッドラディエンスが、東京2020オリンピック日本代表の林伸伍選手(アイリッシュアラン乗馬学校)とのタッグで出場し9位となった。
レッドラディエンスは21年8月にデビュー後、けがで戦線離脱した時期もあったが、5歳の時にコパノリッキーCを制してオープン入りした。続く七夕賞を戸崎圭太騎手とのコンビで制して重賞馬となったものの、左前脚にけがが判明し24年12月に競走馬登録を抹消。乗馬に転向しRRC滋賀大会の覇者としてファイナルへと進んだ。ライダーを務めた林選手は、14年のアジア競技大会の団体で銀メダル獲得など豊富な世界経験を持つ。
乗馬転向からわずかな期間でつかんだ大舞台。林選手は「まだ今年2月にトレーニングをはじめたばかり。落ち着いて競技を終えられたのは非常に良かったと思います」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。同馬の競走馬時代は故障に泣かされた時期もあったが、林選手によると現在は「馬術をやる分には問題ない」とのこと。課題のメンタル面がさらに安定すれば、持ち前の身体能力の高さを生かした活躍が期待されるという。
林選手は「乗馬の世界で引退競走馬は昔から活躍してくれており、これからも個人として恩返ししていきたい」と語り、今回タッグを組んだもう一頭ジャンカズマとともに「さらに成長した姿を見せることができれば」と今後に向けて意気込んだ。
馬場馬術では、3年連続出場で兵庫大会1位のワイドカイザーが制した。
【馬場馬術の結果】
1位:ワイドカイザー(沖廣諒一選手・ビワコリトレホースプロジェクト)
2位:ジャンボリー(松元崇志選手・座間近代乗馬クラブ)
3位:シンゼンマックス(田所俊輔選手・甲賀乗馬クラブ)
◇RRCとは
2018年に全国乗馬倶楽部振興協会によって創設され、引退馬のセカンドキャリア形成やリトレーニング技術の向上、乗馬愛好家の拡大を目的としている。これまで18年の有馬記念覇者であるブラストワンピースといった引退競走馬が大会に参戦。また今年は予選にディープボンドやゴールデンシックスティといった、ファンにもなじみ深い名馬たちも参戦した。