12月7日に行われたJ1昇格プレーオフ準決勝で、ジェフユナイテッド千葉と対戦したRB大宮アルディージャは一時、3-0と…

 12月7日に行われたJ1昇格プレーオフ準決勝で、ジェフユナイテッド千葉と対戦したRB大宮アルディージャは一時、3-0とリードしながら4失点でまさかの逆転負け。にもかかわらず、敗戦直後に20歳DF市原吏音が見せた“振る舞い”に多くのサポーターが心を打たれた。

 敵地・フクダ電子アリーナでの大一番、すっかり自分の背番号となった「4」のユニフォームを着用した市原は、左腕にキャプテンマークを巻いてピッチイン。左センターバックとしてDFラインを統率し、時に味方を鼓舞し、時に自ら体を張って相手の攻撃を阻止した。

 だが、3−0から3−4とひっくり返された。千葉にとって「フクアリの奇跡」と呼ばれた試合は、大宮にとっては「悲劇」だった。そして、試合直後の市原の姿を撮影した映像をJリーグ公式エックス(旧ツイッター)が「現地独自カメラ」として公開した。

 そこには、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間にユニフォームで汗を拭って腰に手を当てて歓喜に沸くスタンドを見つめる姿、そして杉本健勇と握手を交わした後、うなだれるチームメイトたちの背中を叩きながら声をかけて回るゲームキャプテンとしての姿があった。さらに整列しての挨拶後、両手で顔を覆い、涙を堪えながら勝利を信じて駆け付けた大宮サポーターに感謝の拍手をしてピッチを去る姿が収められていた。

■「まだ20歳でこの振る舞いができる凄さ」

 試合終了後の“キャプテン市原”の姿に対して、SNS上にはファンから「これが俺たちのキャプテン。自分だってめちゃくちゃ悔しいだろうに落ち込んでるチームメイトに声をかけて回る。まだ20歳だぞ。この姿見たら誰々が戦犯だの監督辞めろだの言えないよな」「自分を抑えて味方を称える姿、立派です」「U20でも思ったけど20歳でこの振る舞いはあまりにもかっこよすぎる」「まだ20歳でこの振る舞いができる凄さ」と称える声が寄せられた。

 さらに、「将来、彼はもっと大きなものを背負って闘う時がくるね」「将来の日本代表のDFリーダー候補、本当に楽しみです」「世界に羽ばたいて将来の日本代表のキャプテンになって欲しい!!」「吏音、世界に羽ばたいてビッグになっていつか大宮戻ってこいよ!みんな応援してるよ」と今後へ期待する声も寄せられた。

 市原は試合後に自身の公式インスタグラムのストーリーズで「今上げるべきか迷いましたが、ファン・サポーターの方々も同じようにくらってると思ったので一言だけ言わせてください。ここまで信じてついてきてくれてありがとうございました。そして申し訳ありません。どんな時も背中を押してくれたこと、めちゃくちゃ力になってました。今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました」とサポーターへ向けて改めて感謝の言葉を綴った。

 U-20ワールドカップでも日本代表の主将として圧倒的な存在感を見せ、将来を嘱望されている市原。今後の去就を含め、彼の未来には多くのファンが注目し、期待を寄せている。

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