高木豊の現役ドラフト展望 セ・リーグ編 第4回「現役ドラフト」が12月9日に開催される。3回目の現役ドラフトで移籍した選…

高木豊の現役ドラフト展望 セ・リーグ編

 第4回「現役ドラフト」が12月9日に開催される。3回目の現役ドラフトで移籍した選手のなかでは、日本ハムから巨人に移籍した田中瑛斗が、登板数(2024年3試合→2025年62試合)を大幅に増やした。

 今回も、環境を変えることでチャンスをつかむ選手は出てくるのか。かつて大洋(現DeNA)の主力選手として活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊氏に、セ・リーグの球団からリストアップされそうな選手について語ってもらった。


2021年のドラフト5位で阪神に入団した岡留英貴

 photo by Sankei Visual

【阪神】

 まずは右腕の岡留英貴です(おかどめ・ひでたか/26歳)。今季は登板機会が減りましたし(35試合→10試合)、阪神はピッチャーが豊富ですからね。

 ただ、阪神から出されるとなった場合、どの球団へ移籍したとしてもモチベーションは下がるんじゃないかと思うんです。逆にほかの球団から阪神に入った場合、注目度が高い球団なので「ここで一発やってやろう」という気になるのかなと。その部分の心配がなければ、岡留は他チームに行っても戦力になると思います。

 外野手の井上広大(いのうえ・こうた/24歳)は、人気があるのでチームが手放さない可能性もありますが、起用法が難しくなってきました。今年はドラフト1~3位まで野手を指名していますし、全員が井上と同じ右バッター。よりチャンスが少なくなることも考えられますし、新天地で頑張ったほうがいいかもしれません。

 彼が期待されているのは長打ですが、打ち方に迫力を感じません。打率が2割3、4分くらいであれば、森下翔太みたいに振り切ったほうが相手ピッチャーからすると怖いですし、結果的にフォアボールを出してしまったりもする。ただ、ポテンシャルはあると思うので、リストアップされれば日本ハムあたりが欲しがるかもしれません。

【DeNA】

 内野手の知野直人(ちの・なおと/26歳)は可能性がありそうです。蝦名達夫が戦力として計算できるようになってきましたし、ドラフトでは大卒や社会人の内野手を3人指名しました。ユーティリティー性があるとはいえ、伸び悩んでいる知野が候補に入っても不思議ではありません。タイラー・オースティンとマイク・フォードの内野手2人を自由契約にするなど、チームが若返りを図ろうとしていることは明白ですし。

 あとひとり挙げるとすれば、東妻純平(あずま・じゅんぺい/24歳)。同じ捕手の松尾汐恩が野手にコンバートされることがあれば話は別ですが、内野手を3人指名したということはコンバートはなさそうです。代打要員も、山本祐大や松尾のほうが怖いですから。

【巨人】

 今季よくなかった左腕の又木鉄平(またき・てっぺい/26歳)は可能性がありそうです。日本ハムを自由契約になった大型左腕の北浦竜次を獲りましたが、左では北浦に期待していると思うんです。又木はストレートに力がない点が厳しい。でも、変則左腕なので興味を示すチームはあるかもしれません。

 内野手では、今季ほとんど試合に出ていない湯浅大(ゆあさ・だい/25歳)、増田大輝(ますだ・だいき/32歳)あたりも可能性があるかなと。増田は足がそれほど使えなくなってきていて、スピードのある浦田俊輔が出てきていますから。外野手では、やはり起用が少ない岡田悠希(おかだ・ゆうき/25歳)でしょうか。FAで日本ハムの松本剛を獲りましたし、ますます出番がなくなると思います。

【中日】

 外野手の尾田剛樹(おだ・ごうき/25歳)は足が速いのですが、走る"感性"があまりよくないというか、宝の持ち腐れです。今後、感性よく走れるようになるとは思えないのですが、環境を変えてあげるのもひとつの手です。以前、中日には足のある髙松渡がいましたが(トレードで西武に移籍)、西武でもあまり足を使えていません。ただ、足が速い選手は見栄えがいいので、リスト入りすれば、興味を示すチームはあるかもしれませんね。

 ちなみに、鵜飼航丞(うかい・こうすけ/26歳)の名前もちらほら出ていますが、僕はないと思っています。来季からホームランテラス席ができて外野が狭くなるので、ある程度パワーのある選手を置いておきたいはずですから。

【広島】

 広島は野手を大量に戦力外にしているので、現役ドラフトでは野手ではなく投手をリストに入れるんじゃないかと。そういう点で、右腕の大道温貴(おおみち・はるき/26歳)は可能性があるような気がします。リリーフがある程度充実していますし、ルーキーの岡本駿も及第点の働きぶりでした。そうなると、大道あたりは立場が厳しくなってきます。

 ただ、どのチームもリリーフは何枚あってもいいですし、リストに入れば注目されるかもしれません。彼本来の球威が取り戻せれば通用すると思いますし、環境を変えたほうがチャンスは増えると思います。

【ヤクルト】

 内野手の武岡龍世(たけおか・りゅうせい/24歳)は環境を変えたほうがいいような気がします。2023年に84試合に出場しましたが、以降は伸び悩んでいるように見えますし、ドラフトでは1位と2位で大学生の内野手を指名しているじゃないですか。武岡はまだ若くて動きも悪くないので、リスト入りすれば内野手の層が薄いチームが飛びつくかもしれませんね。

(パ・リーグ編:かつての新人王も現役ドラフト候補? 他球団でチャンスが広がりそうなパ・リーグの選手を高木豊がピックアップ>>)

【プロフィール】

高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。