◇ツアー外競技◇ヒーローワールドチャレンジ 最終日(7日)◇アルバニーGC(バハマ)◇7449yd(パー72)夕闇の迫…
◇ツアー外競技◇ヒーローワールドチャレンジ 最終日(7日)◇アルバニーGC(バハマ)◇7449yd(パー72)
夕闇の迫るコースで、松山英樹がサングラス越しに会心のショットを見送った。18番を使ったプレーオフ1ホール目。3Wで捉えたフェアウェイから、9番アイアンで166yd先のピンそば80cmへ。「完ぺきだった」というショットを続け、グリーンに向かいながらバーディを確信した。
レギュラーラウンドの後半10番もすごかった。フェアウェイから残り116yd。前半アウトで5バーディ「31」の猛チャージを決めて「優勝するためにはバーディが欲しい」とさらなる追撃を願った2打目はピン奥2mに着弾し、スピンバックでカップに消えた。バーディどころか、ショットイン・イーグルで一気にトップに並んだ。
苦闘のシーズンだ。1月のPGAツアー初戦「ザ・セントリー」を72ホールのツアー新記録となる通算35アンダーで制しながら、その後の日・欧・米ツアー出場25試合でトップ10は10月末の欧州ツアー「ジェネシス招待」(7位)だけだった。「シーズン中はなかなか思うようにいかない時間が長かった。今週もあまり状態は良くなかったが、日本にいる(黒宮幹仁)コーチと(オンラインで)やり取りしながら、自分で考える時間もあって、試合をやりながら良くなっていった感じです」と振り返る。
シーズンの最初と最後に勝った。終わりよければすべてよしとはいかなくとも、この日のフィールドベストタイ「64」とプレーオフの“完勝”は大きい。9年前の2016年大会で優勝し、憧れのタイガー・ウッズと写真を撮ったツアー外競技で再び2ショットに収まった。「9年前の方が自信満々でプレーしていたと思うけど、今の自分でしか出せないものもあると思う。9年前よりも自信はないけれど、確実にステップアップしている」。2月に34歳になる2026年シーズンへ、もがき苦しんだ松山が新たな財産を手に入れた。