3週連続のGI制覇といえば、今秋にC.ルメール騎手が秋華賞、菊花賞、天皇賞(秋)で成し遂げたが、オールドファンにはO…

 3週連続のGI制覇といえば、今秋にC.ルメール騎手が秋華賞、菊花賞、天皇賞(秋)で成し遂げたが、オールドファンにはO.ペリエ騎手の印象が強いのではないか。01年にマイルCSのゼンノエルシド、ジャパンCのジャングルポケット、阪神JFのタムロチェリーで達成。ここでは伏兵での戴冠となった阪神JFを振り返る。

 この秋のペリエ騎手は抜群の飛ぶ鳥を落とす勢いだった。マイルCSのゼンノエルシドで自身3回目のJRA・GI制覇を果たすと、ジャパンCダートのノボトゥルーこそ4着だったが、翌日のジャパンCをジャングルポケットで制覇。2週連続の戴冠を果たし、勢いに乗って阪神JFに挑んでいた。

 このレースのパートナーはテン乗りのタムロチェリーだった。2走前の小倉2歳Sを最低人気で制したものの、前走のファンタジーSでは10着に大敗。単勝18.0倍の伏兵扱いも致し方ない雰囲気だった。レースは前半1000mが59秒4の平均ペースに。タムロチェリーとペリエ騎手は中団で運び、早めに外に持ち出した。そして直線で外からジワジワと加速。逃げ粘りを図るアローキャリー、さらには1番人気のキタサンヒボタン、2番人気のオースミコスモが追い比べを演じる中、ゴール前でグイッと脚を伸ばしてフィニッシュ。タムロチェリーが前走2桁着順からの激変で、2歳女王に就くとともに、ペリエ騎手は3週連続GI制覇となったのだった。

 ちなみにペリエ騎手はJRAのGIを12勝したが、この阪神JFが最低人気、かつ最高配当での勝利である。そういった意味で世界的名手の手腕が遺憾なく発揮されたレースといえるに違いない。