今年の香港マイルではエンブロイダリーが父アドマイヤマーズとの父仔制覇を狙う。そこでこの機会に父が制した6年前の戦いを…
今年の香港マイルではエンブロイダリーが父アドマイヤマーズとの父仔制覇を狙う。そこでこの機会に父が制した6年前の戦いを振り返ってみよう。
陣営にとって、特別な意味を持った一戦だった。同年の11月に「アドマイヤ」の近藤利一オーナーが死去。そんな思いを受け止めるかのように、アドマイヤマーズは生涯最高ともいえるパフォーマンスを見せたのである。
道中は好位の直後で折り合いバッチリ。そして直線で馬群の中から脚を伸ばす。残り200mからは横一線の追い比べ。その中からC.スミヨン騎手の叱咤に応え、アドマイヤマーズが先頭に立つ。3連覇を目指すビューティージェネレーションを振り切ると、外から迫るワイククも半馬身凌いでゴール。父ダイワメジャー譲りの素晴らしい勝負根性を発揮して、歓喜の瞬間を迎えたのだった。アドマイヤマーズは香港マイルとなってから3歳馬として史上初の戴冠。また、この勝利は近藤利一氏名義では最後のGI勝利となった。
あれから6年、今年は父の背中を追って、エンブロイダリーが海を渡る。レース史上初となる香港マイルの父仔制覇。歴史に新たな1ページが刻まれることを期待しよう。