中国でブーイングを浴び続けた張本(C)Getty Images 異様なムードが選手たちを呑み込んだ。物議を醸したのは、現…

中国でブーイングを浴び続けた張本(C)Getty Images

 異様なムードが選手たちを呑み込んだ。物議を醸したのは、現地時間12月6日に中国・成都で行われた卓球の混合団体ワールドカップのステージ2での一幕だ。

 日本がフランスに7-8で敗れた一戦にあって、張本智和が標的となった。

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 日中関係が悪化している影響なのか、場内の観客の反応は明らかに日本のエースに対する敵意に満ちたものだった。フェリックス・ルブランとの第3試合で張本が失点をする度に客席から大歓声が上がり、逆に得点を重ねるとブーイングが浴びせられた。

 その露骨な反応に集中をかき乱されたのか。精彩を欠いた張本は3ゲーム連続で落とした。とりわけ負ければ終わりの第3ゲームは2-11と大敗し、ルブランを前に防戦一方となった。

 あまりの環境にフランス陣営からも同情する声が飛んだ。シモン・ゴジは自身のXで「私たちは今日、トモカズを本当に気の毒だったと思った」と指摘。猛烈なブーイングのターゲットとなり続けた日本人エースを慮った上で「彼があんな状況になるのを見るのは辛かった」と記した。

 フランスのエースが「気の毒に思う」と明かした場内の環境がいかに異様だったかは想像に難くない。しかし、中国メディアからは異論が飛んでいる。

 試合の様子を「異常な雰囲気だった」と伝えた『新浪体育』は、「試合観戦の域を超える声援だったが、すべては張本が強いから生まれたものだ。ブーイングを一種の名誉と捉え、前向きに受け止めるべきだ」と強調。観客の反応を肯定的に報じた。

「張本がもっと強い選手になりたいのであれば、中国で浴びせられる容赦ないブーイングをも乗り越えられる精神力を養わなければならない。でなければ、真の世界チャンピオンにはなれない」

 今大会の張本はアクシデントが続いている。5日の韓国戦では選手紹介の際に名前を間違えてコールされる場面にも遭遇。苛立った様子が伝えられていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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