◇国内男子◇日本シリーズJTカップ 最終日(7日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆38…
◇国内男子◇日本シリーズJTカップ 最終日(7日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆3823人)
わずかな逆転の可能性を信じて、狙わないわけにはいかなかった。首位に3打差で迎えた後半15番(パー3)、蝉川泰果のティショットはピンハイでキャリー。「そんなに行かないと思っていたのに…」、グリーンの奥に転がり落ちた。
ボールは木の根元に張り付き、2打目は左打ちを余儀なくされた。「ここにきてマジか…」。フェースにうまくヒットせず、球は別の木に当たって後方へ。痛すぎるトリプルボギーで“万事休す”の雰囲気が場内に立ち込めた。
金子駆大を逆転し賞金王の座に就くためには、優勝が欠かせない状況で迎えた最終戦。奇跡に向け2打差5位スタートから出た日曜日は「71」で通算5アンダー6位に終わった。バックナインはバーディを奪えず、グリーン上で「見た目と足の間隔のギャップが少しあって、どちらを信じるかうまく決め打ちできなかった」と精彩を欠いたのも悔しい。
年明けから参戦した米下部コーンフェリーツアーでろっ骨を疲労骨折し、日本ツアーの自身の開幕がずれ込みながら、復帰4戦目の「BMW日本ツアー選手権 森ビルカップ」で優勝。万全でない身体のコンディションと付き合いつつ、スイングも、クラブも、試行錯誤を重ねて最後までツアーを盛り上げた立役者のひとりになった。
プロ2年目の2023年を賞金ランク2位で終え、4年目は3位で終えた。本人も、周囲も来季こそは…と思うのは当然だ。「結果的にそこにたどり着くために、(次の)1勝、2勝と積み重ねたいのがいまの率直な気持ち。こういうチャンスはなかなか巡ってこない。2年前と今シーズンを考えて、来年はもちろん獲りたいところではあります」。海外ツアー進出への想いは来季、ひとまず“封印”するつもりでいる。
「短いパットは『入れる』というよりも、『絶対入る』と思ってもっと打てるように。日頃の練習では2、3m以内を確実に(決められるように)しないと、向こうのツアーでやるにも、日本で賞金王を目指すにも足りない」。酷使した身体をまずはケアして決意の2026年に向かう。(東京都稲城市/桂川洋一)