残念だったけど、感動をありがとう――。 サッカーJ1で2位につけていた柏レイソルの準優勝が決まった6日、地元の千葉県柏…

 残念だったけど、感動をありがとう――。

 サッカーJ1で2位につけていた柏レイソルの準優勝が決まった6日、地元の千葉県柏市内で行われたパブリックビューイング(PV)では、市民らは頂点に届かなかったことを悔しがったものの、今季の健闘に拍手を送った。

 PVは市立柏第三小学校体育館が会場だった。柏駅とスタジアムを結ぶ「レイソルロード」に面した場所にある。市の呼びかけで実施し、約300人が詰めかけた。

 午後2時すぎに試合が始まると、チームカラーの黄色の服を着たファンらは、試合を映し出すスクリーンをじっと見守り、好プレーに拍手を送った。先制すると「うわーっ」と歓声を上げ、両手を突き上げて喜んだ。

 試合は1―0でFC町田ゼルビアに勝利したが、首位の鹿島アントラーズも勝ったため、勝ち点差で及ばず14年ぶりの優勝はならなかった。でも、会場からは惜しみない拍手が送られた。

 我孫子市出身で今は船橋市に住む岡村歩さん(32)は「勝ち切れた。選手たちはよくやってくれた」。柏市出身で東京都在住の森雅美さん(38)は30年間チームを見守ってきた。「ここ数年は不振だったので、優勝争いをして幸せ。楽しい一年でした」と話した。(斎藤茂洋)

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 2023年、24年とも17位で、残留争いをした柏レイソル。今季、浦和などで指揮経験があるリカルド・ロドリゲス氏(51)を監督に迎え、チームは大きく変わった。

 チームによると、監督は就任直後の1月上旬から、体力づくりだけではなく、ゲーム形式の練習に力を入れた。攻守の切り替えを素早くし、組織でパスをつなぐサッカーを目指して選手に落とし込んだ。常に「情熱が大事だ」を口にしていた。

 方針は選手に浸透し、スタートダッシュに成功。順位は春から常に5位以内につけた。

 データが裏付ける。第37節(11月30日)時点の記録によると、昨季392.0回で15位だった1試合平均パス数は今季609.8回に。47.5%で14位だった平均ボール支配率は59.3%になった。それぞれリーグ1位だった。