アントラーズ、9年ぶりの栄冠――。サッカーJ1鹿島は6日、茨城県鹿嶋市のメルカリスタジアムで今季最終戦に臨み、横浜F・…

 アントラーズ、9年ぶりの栄冠――。サッカーJ1鹿島は6日、茨城県鹿嶋市のメルカリスタジアムで今季最終戦に臨み、横浜F・マリノスを2―1で破り、9回目の優勝を決めた。先週のJ2水戸ホーリーホックに続いての優勝で、J1、J2とも茨城勢が頂点に立った。

 メルカリスタジアムには約3万7千人の観衆がつめかけ、アントラーズレッドに染まった。

 「アントラーズ!」「アントラーズ!」の大声援に後押しされて、選手たちは相手ゴールに猛攻。前半だけで両チーム計3枚のイエローカードが出るほど激しくぶつかり合う場面もあった。

 前半20分、得点王レオセアラ選手が待望の先制ゴール、さらに後半12分、レオセアラ選手が追加点をあげると、スタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。アディショナルタイムに一瞬のすきを突かれ、1点を許したものの、最後は逃げ切って優勝。選手らは抱き合い、喜びを分かち合った。

 主将の植田直通選手は試合後のテレビインタビューで「鹿島が一番だ!」とサポーターに優勝を報告。就任1年目で優勝に導いた鬼木達監督も記者会見で「スタジアムの雰囲気が最初から勝たせてくれるような雰囲気だった。熱量のあるサポーターたちと戦えたことを誇りに思う」とサポーターへの感謝を述べた。(斉藤勝寿)

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 念願の優勝にスタンドは歓喜に包まれた。

 千葉県旭市の公務員、野口定幸さん(46)と小学3年の長男・颯太さん(9)は、バックスタンドから優勝の瞬間を見守った。定幸さんは中学生の頃から鹿島のファンで、これまで親子で応援を続けてきたという。

 前回の優勝から9年。初めて優勝の瞬間を目にした颯太さんは「最高!とても盛り上がっていて、とても興奮した」と笑顔。定幸さんも「長かったけど、親子で優勝の瞬間を見られて本当に良かった。来年も優勝できるように親子で応援していきたい」と話した。

 アントラーズ発足以来、サポーター集団「インファイト」を率いてきた鹿嶋市の河津亨さん(56)もスタンドから応援した。「若いサポーターたちが必死にチームを支えてくれたおかげだ。来季のJ1は、茨城のチームが水戸ホーリーホックと2チームになるので、茨城のサッカー熱はさらに盛り上げると思う」と喜びを語った。

 表彰式では、大井川和彦知事も登場し、「今年はJ1、J2で茨城のチームが同時優勝した。茨城はサッカー王国です」と選手たちをたたえた。(古庄暢)