群馬県高校野球連盟の「責任教師・監督・顧問会議」が6日、同県渋川市伊香保町であった。講師に招かれた岐阜県立岐阜商業高校…

 群馬県高校野球連盟の「責任教師・監督・顧問会議」が6日、同県渋川市伊香保町であった。講師に招かれた岐阜県立岐阜商業高校野球部の藤井潤作監督(53)が「伝統校でチャレンジした1年」と題して講演した。

 藤井監督は市立岐阜商業高校、朝日大学出身。社会人野球の一光で野球を続けた。退社後に高校教諭になり、2009年に県岐阜商でコーチ(副部長)を務め、同年夏の甲子園で4強。昨年再び県岐阜商に赴任し、昨年8月に監督就任。今夏、甲子園初采配ながら、16年ぶりに4強入りする快進撃を見せた。

 就任直後の昨秋の県大会準々決勝で岐阜第一に4―5で敗れたあと、新チームの課題を整理したという。筋力アップ、守備力強化、走塁強化、スイング力、そして考える野球を挙げた。

 体重を増やそうと、ご飯の量を「1日2キロ」ときちんと量って食べさせ、意識づけた。守備では足の置き方を考えながらゴロを捕球する基本的な練習にも取り組んだ。「走塁は野球の中で一番難しいが、ミスは許されない」、打撃は「引っ張っても良いが引っかけはダメ」。様々なパターンにおける動きを教え込んだ。

 「野球は『間』があるスポーツ」だとして、考えて準備することの大切さや、「五感を意識することで、野球のプレーにも勘が生きてくる」として、感性を磨くことの大切さも伝えてきたという。

 「子どもたちの肌で感じる成長を見せてもらった。これがあるから、指導者はなかなかやめられないなと思った1年でした」と語った。(中沢絢乃)