J1名古屋グランパスからの退団が決まっていたFWキャスパー・ユンカーが、12月6日のシーズン最終戦後のピッチでお別れの…
J1名古屋グランパスからの退団が決まっていたFWキャスパー・ユンカーが、12月6日のシーズン最終戦後のピッチでお別れのあいさつを実施。担当通訳との絆が伝わる感動的なスピーチとなった。
1−0でアビスパ福岡に勝利して迎えた試合後のセレモニー。豊田スタジアムに集まったファン・サポーターの前で、ユンカーは「皆さん、お疲れさまです」と日本語であいさつした後、英語でのスピーチを始めた。
だが、ここでユンカーの右後ろに立っていた通訳の貝沼瑳恭(さすけ)さんが、ユンカーの言葉を「3年間が経ち…」とまで訳したところで感極まって言葉を詰まらせる。スタンドがザワつく中、すすり泣きから「すみません」と謝ると、気を取り直して「名古屋グランパスでの3年間を終え、このクラブがどのようなものだったかを考えていました」とユンカーの言葉を伝えた。
だが、その後も貝沼通訳は込み上げる涙を抑え切れず。その様子に思わず笑みをこぼしたユンカーだったが、スタンドから大きな拍手が沸き起こると、ユンカーももらい泣き。そして、涙をぬぐいながら「その答えは家族です。なぜなら家族というものは、苦しいときにずっと一緒にいるからです。サポーターの皆さんは、常に一緒にいてくれたから」と続けた。
温かい空気が流れた中、ユンカーは最後に「ありがとう!ベストフレンドであるサスケに感謝を伝えたい」と“親友サスケ”に感謝の言葉を贈り、ハグを交わした。
■「ユンカーっていい人だったんだろうな」
思わぬハプニングも2人の信頼関係が伝わる感動的なスピーチとなり、SNS上には「ユンカーありがとう!めっちゃ泣いた」「もらい泣きしました さすけ通訳、素晴らしい信頼関係でしたね」「二人でハグまでが泣ける」「ユンカー選手とさすけ通訳の絆を感じましたね」「本当にいい関係だったんだろうし、ユンカーっていい人だったんだろうな」などの声が寄せられた。
デンマーク出身のユンカーは、2021年に浦和レッズと契約を結んで来日。2023年に名古屋に加入すると、シーズン33試合出場で16得点を挙げてエースとして活躍した。その後の2年間はケガとの戦いにもなったが、その間に担当通訳と揺るぎない友情を育んだようだ。現在31歳だが、得点能力は健在。日本を愛し、日本人からも愛されている点取り屋の今後の去就も注目される。