DeNA育成1位の清水詩太「みんなが休んでいたらラッキーくらいの気持ちで」 DeNAの新入団選手発表会「BRAND NE…
DeNA育成1位の清水詩太「みんなが休んでいたらラッキーくらいの気持ちで」
DeNAの新入団選手発表会「BRAND NEW STAR EVENT 2026」が6日、パシフィコ横浜で開催された。育成1位の清水詩太内野手(京都国際高)は「育成なのでプロ野球選手とは呼べない立場なんですけど、1日でも早く(ユニホームが)似合うように頑張ります」と所信表明。新人6選手で唯一の高校生とは思えないほど落ち着いた表情で発した言葉の真意を明かした。
「まず、プロに入ることが目標ではないので。1軍で活躍してこそのプロ野球選手だと自分は思っています。育成だと1軍で出る権利もないですし、支配下の人と育成の人なら、絶対に育成の人たちの方がクビになったりする確率が高いと思うので。死に物狂いで1日1日を大事にして、1軍で初めて結果を出してから『自分はプロ野球選手になったんだな』としっかり納得して思えるように頑張っていきたいです」
その人間性には、スカウト陣も舌を巻く。指名が決まってから連絡を取ったりやり取りをする機会も多いが、「言葉遣いや連絡のやり取りが非常に丁寧でなかなか高校生にはいないレベル。礼儀正しい」と絶賛。河原アマスカウトグループリーダーも「字もきれいで、お父さん、お母さんのしつけの良さだと思っています」とうなった。会の中では、清水が実際にスカウトに書いた手紙が公開され、ファンからはどよめきと拍手が起きたほどだった。
「書きたいとは思ったんですけど、書き方や丁寧な文章がわからなかったので担任の先生や親に教えていただきながら書きました」と謙虚な清水詩。「きれいに書くのが小さい頃から好きだったので、書道を習っていたわけではないんですけど、高校生になってみんなから字がきれいと言われることが増えたのでうれしいです」とはにかんだ。
また担当の藤田スカウトは、印象に残っているシーンに「審判のミスジャッジにも全く態度に出さない。死球を受けても全く当たっていないみたいに一塁に行く姿」を挙げる。清水詩はこれにも「甲子園で、自分の結果よりチームが勝つことが大事。死球はヒットと同じで、流れを崩したり止めたりしたら勢いはなくなると思うので、死球が当たったら逆に喜んで一塁に行きました」とこともなげに振り返ったのだった。
「野球に夢中になれる選手になりたい。(指名されて)うれしいですけど、それ以上にここからだと思っています。残りの少ない新人合同自主トレまでの期間ですが、みんなが休んでいたりしたらラッキーぐらいの気持ちで、その間自分は練習して1日1日頑張っていきたいです」と意気込んだ18歳。即戦力ではなくても、将来が楽しみな存在だ。(町田利衣 / Rie Machida)