【ワシントン5日(日本時間6日)=佐藤成】世界一への道のりが鮮明になった。26年W杯北中米大会(6月11日開幕)の抽選会…

【ワシントン5日(日本時間6日)=佐藤成】世界一への道のりが鮮明になった。26年W杯北中米大会(6月11日開幕)の抽選会が行われ、8大会連続出場の日本は中部地域で1次リーグ(L)を戦うF組に入り、相手はオランダ、チュニジア、欧州プレーオフB組(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニア)の勝者に決まった。出場国枠拡大に伴い、ドイツ、スペインと同居した前回のような「死の組」は回避。それでも簡単ではない実力国ぞろいの中、暑い中部地域での戦いが待つ。決勝トーナメント(T)1回戦ではブラジル、モロッコのいるC組突破国との対戦が濃厚となり、険しい道を駆け抜ける覚悟が必要となる。

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早朝から降った雪がやみ、「JAPAN」と読み上げられたのは抽選会開始から1時間39分後だった。米国らしい音楽ショーの演出など「長すぎる」前振りを見届け、オランダと同じF組に決まると森保一監督(57)は自然体で受け止めた。その後、第3ポット(P)のチュニジア、第4Pの欧州プレーオフBが入り「非常に厳しいグループに入ったなと思います。非常に力のある対戦相手ばかりなので」と総括した。

現場トップの危機感は当然だが、現実的に評価すると“マイルドな厳しさ“を帯びたグループになった。出場国枠拡大に伴い、強豪が分散。スペイン、ドイツと同居した前回大会のような「死の組」ではなく、日本の総合力からすると2位以内が濃厚。ただどこも実力は確かで、大舞台で勝ち点3を奪うのは容易ではない。自らの経験からそのことを知る指揮官は自然と警戒心を強めたようだ。

ネックとなるのは気候だ。F組が戦う中部地域の都市は、メキシコのモンテレイと米ヒューストン、ダラス、カンザスシティー。開閉式の会場もあるが、いずれも6月は最高気温が30度前後まで上昇する。過去7大会の知見を総導入してコンディションを調整し、過酷な環境を戦い抜く。「覚悟を持たないといけない。W杯はただでさえ負荷がかかる。暑さの中で戦うという部分では、体力的にもメンタル的にも非常にタフに戦う準備をしておかないといけない」と力を込めた。

選手としては93年に「ドーハの悲劇」で米国での94年W杯を逃した。そこから約30年。あと1歩届かなかった地で今度は指導者として物語を前進させる。