レッドブルファミリーの一員として残る角田。彼がF1の舞台から外れることになった理由は何だったのか(C)Getty Ima…

レッドブルファミリーの一員として残る角田。彼がF1の舞台から外れることになった理由は何だったのか(C)Getty Images
内部での協議が幾度となく重ねられた上での判断だった。去る12月2日(現地時間)、F1のレッドブルは、来季のドライバーラインアップを正式決定。角田裕毅をテスト兼リザーブドライバーに残すとともに、姉妹チームのレーシングブルズで“結果”を残した新鋭アイザック・ハジャーの昇格を決断。さらにリアム・ローソンの残留と、“神童”と称されるアービット・リンドブラッドをF2からF1に昇格させた。
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エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンを除けば、F1キャリアが最も長いのは角田だった。それだけに経験値の乏しい若手たちが優遇される形となった今回のシート喪失は小さくない衝撃も生んだ。
悲喜こもごもとなった来季編成。その決め手となったのは何だったのか。
現地時間12月5日にF1公式のインタビューに応じたローラン・メキース代表は「もちろん、難しい決断だった。私はユウキのことをとてもよく知っているし、彼がどれだけ速いかも知っている」と語り、愛弟子に対する措置に複雑な想いを口にした。
「私たちは現状が十分ではないと認識している。この経験を糧に良い仕事をしていきたい。どんな未来が待っているかは分からないが、確かなことは彼がファミリーの一員としていること。これからも共に歩むということだ」
レーシングブルズ時代から師弟関係にあったメキース代表。角田を熟知する指揮官は、「どれだけ速いかも分かっている」という愛弟子をなぜF1から外したのか。「アイザックとユウキに対する決断はとくに難しかった」と説いた頭脳派幹部は、こう続けている。
「ユウキとは様々なことにトライし、彼の成長も感じていた。しかし、我々はアイザックに秘められた驚くべき可能性に賭けるべきだと思ったんだ」
つまり、角田の実力は十分に把握できたからこそ、将来を見据えたフェーズに移行したということか。同様の見解は、チームアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士も示している。編成を巡る協議にあって重要な発言権を持つとされる82歳の重鎮は、オーストリアの日刊紙『Kleine Zeitung』において「彼はこれを大きなチャンスと捉え、さらにモチベーションを高めてくれるはずだ」と語った上で、決断の舞台裏を明かした。
「とても難しい話し合いだった。ユウキは非常に失望していたが、我々は彼に説明をした。『ファミリーに残るべきであり、4台のリザーブドライバーを務めることは常にチャンスにつながる』とね。レーシングブルズに残さなかったのは、あのチームがジュニア(若手)のためにあるチームだからだ。2026年シーズンはユウキにとってF1で6年目。そう言う立場の選手にとって、レーシングブルズのDNAは合わない」
結果が全てとなるF1。文字通りの競争社会の中ではじき出される形となった角田だが、来季にチャンスは舞い込むのか。「F1は僕の人生そのもの。(インディカーなど)他の挑戦をするのは時期尚早だ」と語った25歳の挑戦に注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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