今週の日曜日は、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GI・ダート1800m)が行われます。 過去10年のチャンピオンズ…

 今週の日曜日は、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GI・ダート1800m)が行われます。

 過去10年のチャンピオンズCでは、前走の初角で4番手以下の馬が[7-9-3-90]。一方、前走の初角を3番手以内で通過した馬は[3-1-7-30]となっています。前走で積極的な競馬をしている馬よりも、スタートから脚を溜めるような形で運んでいる馬に分がある一戦と言えるかもしれません。

 チャンピオンズCはダートの一線級が揃うハイレベルな一戦。それだけにスタートからタフなペースになることも珍しくありません。前走でテンから前向きな競馬を経験している馬は、厳しいペースに巻き込まれやすく、道中で体力の消耗が激しくなってしまいます。中京は直線に坂が設けられているコースでもありますので、ゴール前でバテてしまうケースが多いのでしょう。

 今年のチャンピオンズCは逃げ馬や先行馬が揃っていますし、例年以上にペースは速くなりそうな印象です。今年のメンバー構成と過去の傾向を踏まえると、前走で積極的な競馬をしている馬は人気の有無にかかわらず割引が必要になるかもしれません。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
前走武蔵野Sに出走し初角7番手以内
[0-0-0-9]複勝率0%
該当馬:ペプチドナイル、ルクソールカフェ
※特に言及のない限り、データは過去10年のチャンピオンズC(計10レース)を対象にしています。

 上位人気が予想されるルクソールカフェが該当しました。

 チャンピオンズCの前哨戦のひとつである武蔵野Sですが、過去10年のチャンピオンズCで武蔵野Sから参戦した馬は[0-2-0-23]と今ひとつの結果に終わっています。馬券に絡んだのは18年ウェスタールンドと15年ノンコノユメ。この2頭は前走の初角を8番手以下で通過していた、スタートから脚を溜める形で運んでいた馬でした。

 一方、前走で武蔵野Sに出走し、初角を7番手以内で通過した馬はすべて馬券圏外となっています。武蔵野Sは1600mで行われていますが、データ対象のチャンピオンズCはすべて1800m。前走で武蔵野Sに出走していた馬は距離延長で道中は楽についていくことができます。

その反面、気分良く行き過ぎてしまう危険性も同居しています。そうなると脚を溜めることができないので、最後の直線に向くころには余力を失い、結果的に後続の追い上げに抵抗することができていないのでしょう。

 該当馬に挙げたルクソールカフェは前走で武蔵野Sに出走し、初角を4番手で通過しています。これまでのレースでも前々からの競馬が目立っていますし、今回もある程度は前の位置につけるはずです。ただ、GIでタフなペースになりやすいうえに、今年は前へ行く馬が揃っていますので、逃げ馬や先行馬はかなり厳しくなりそうです。

 また、ルクソールカフェの鞍上が今週から短期免許で騎乗するジェルー騎手になることも不安材料のひとつと言えます。ジェルー騎手はフランス出身ながら主戦場はアメリカです。

 アメリカの競馬はテンからスピードに乗せていくスタイル。ジェルー騎手はそのアメリカ競馬で結果を残していることから、テンから位置を取りに行く可能性が高い騎手と言えそうです。ただ、チャンピオンズCではテンに無理をすると苦しくなるケースが多いため、ジェルー騎手の特徴がマイナスに働いてしまう危険性があります。

 ルクソールカフェ自身の前走での経験も加味すると、今回は人気ほどの信頼はできないのではないでしょうか。大外枠に入ったこともプラスとは言えませんし、人気になるなら思い切って軽視することも一考したいところです。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。