◇国内男子◇日本シリーズJTカップ 3日目(6日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇曇り(観衆24…

逆転賞金王の可能性を信じる蝉川泰果が浮上

◇国内男子◇日本シリーズJTカップ 3日目(6日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇曇り(観衆2488人)

ターゲットは優勝以外にない。初日10位スタートから2日目に6位、ムービングデーも5位に順位を上げられた。首位との差も6打→5打→2打と縮めた。逆転での賞金王戴冠に必要なシーズン2勝目が、蝉川泰果の視界で大きくなってきた。

5mを沈めた前半3番、6mのイーグルチャンスを外した6番(パー5)でバーディを奪った後、好感触は8番(パー3)で得られた。6Iでの第1打はピンそば1.5mについて3つ目。「なかなか定まらないアイアンショットが徐々に良くなってきた」と思えた。

アイアンショットが復調傾向

前日2日目のラウンド後から「応急処置」を施したという。最近は持ち味のストレートボールに不具合がある。練習場で思いついたのが「真っすぐ打つときもフェードのイメージで打つ」こと。「球が少し安定する。そこまで強いフェードがかかるわけでもないので、そのスイングでプレーした」と復調のきっかけを模索して、掴んだ。

後半12番では残り142ydからPWでピンそば2mのチャンスをつくり、10番でたたいた唯一のボギーを帳消しにした。「ジャストタッチで完ぺきに打てた」と7mのスライスラインを読み切った16番のバーディパットにも納得顔。ムービングデーのベストスコアに並ぶ「66」をマークしてみせた。

賞金ランキング3位で迎えた最終戦。ショットの試行錯誤の作業は終わらず、ラウンド中は「手汗がビチャビチャです」と緊張感とも闘い続けている。賞金レースをひっくり返すためには優勝がマスト。それも金子駆大が5人までの2位タイ、2人までの3位タイ以内に入れば“ゲームオーバー”と蝉川の劣勢には変わりない。

いずれにしても、まずは2年ぶりの大会制覇を目指すだけ。18ホールで最も易しい17番(パー5)のパーも「『イーグルを獲れば、バーディを獲れば…』とやっぱり考えていた。その痺れが来たかな」と最終日への反省材料になる。「もうやりきるだけかなと思ってます。18 ホールで(全部で)チャンスに付けると思って、ティショットからセカンド、パットまで、自分のアグレッシブさを出していけたら」。準備はいよいよ整い始めた。(東京都稲城市/桂川洋一)