<明治安田J1:鹿島2-1横浜>◇第38節◇6日◇メルスタ首位の鹿島アントラーズが9季ぶり9度目のリーグ制覇を成し遂げた…
<明治安田J1:鹿島2-1横浜>◇第38節◇6日◇メルスタ
首位の鹿島アントラーズが9季ぶり9度目のリーグ制覇を成し遂げた。
2017年までクラブのスポンサーだったフリーマーケットアプリ大手のメルカリが19年に経営権を取得し、新親会社になってからの悲願となった。今季からは本拠地のカシマスタジアムのネーミングライツ(命名権)を取得。新愛称「メルカリスタジアム」は初年度から歓喜の渦の中心となった。
クラブは1947年(昭22)に住友金属蹴球同好会として発足。75年に茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に移転し、91年に現在のクラブ名に改称した。
93年のJリーグ元年から居続ける「オリジナル10」でもある伝統クラブが、大きな転換期を迎えたのは6年前の夏。クラブの母体である住友金属(12年に新日本製鉄と吸収合併)の流れをくむ日本製鉄が保有していた株式72・5%のうち61・6%を、16億円でスポンサーだったメルカリに譲渡した。
旧親会社による「身売り」には外資系会社の日本法人も含み、複数の会社から打診があった。中には100億円単位の資金を投資する代わりに、地元を東京に移転し、ホームスタジアムを新国立に移すことを要求する企業もあったという。
だが、長らく支えてくれたサポーターの存在を簡単に捨てるわけにはいかなかった。
17年からスポンサーとなったメルカリと何度も話し合った結果、ホームタウンを移転せず積極的に地域貢献を行うこと、鹿島の伝統を尊重した経営を順守することなどが、経営権譲渡の決め手となった。
メルカリ社長も務め、短期間で成功へと導いた実績を持つ小泉文明社長を新たに迎え入れて再スタートしてから7年目。新たな「フットボール・ドリーム」を結実させた。【泉光太郎】