高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさ…

高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。

 明治神宮大会で準優勝した神戸国際大付(兵庫)には、「打てる捕手」の主将がいる。井本 康太捕手(2年)は、8番打者ながらこの秋の近畿大会と明治神宮大会で5割近い打率を残した。

 近畿大会で12打数5安打、神宮大会では7打数4安打。ともに2打点ずつを挙げた。2大会を合わせた打率は.474。計7試合で無安打だったのは、近畿大会準決勝(大阪桐蔭戦)だけだった。神宮では全3試合安打をマーク。なかでも初戦の中京大中京(愛知)戦で放った2ランは印象深かった。

 すでにチームで2本のホームランを放つなど3対0とリードして迎えた4回だった。走者を二塁に置いて、右翼スタンドポール際への2ラン。軽くスイングしたかに見えた打球だったが、予想以上に伸びた。初球が外角高めに浮いたボール。待っていたかのように真ん中気味に入ってくるスライダーを振り抜いた。上からたたく基本のスイングで打球にスピンがかかったことで、打球が伸びたともいえる。この1発で5対0とし、勝負を決めた。

 敗れた決勝の九州国際大付戦では点差をつけられた9回に、三塁線を破る二塁打を放った。外角球を逆らわずジャストミートして、逆方向へ強い打球を放った結果だった。最後まで勝利をあきらめない。そんな主将の思いもバットに乗り移った。

 攻守にチームの要を担う井本。来年春のセンバツでは、パワーにさらなる磨きをかけて聖地に挑むことだろう。