12月9日に4回目となる現役ドラフトが行われる。現役ドラフトの条件から外れる選手は以下の通り。・外国人選手・複数年契約を…
12月9日に4回目となる現役ドラフトが行われる。現役ドラフトの条件から外れる選手は以下の通り。
・外国人選手
・複数年契約を結んでいる選手
・年俸5000万円以上の選手(1名に限り5000万円以上1億円未満も可)
・過去にFA権を行使したことのある選手
・FA有資格選手
・育成選手
・前年のシーズン終了以降に契約譲渡で獲得した選手
・シーズン終了後に育成から支配下になった選手
・ただし、球団が5000万円以上1億円未満の選手を対象としてリストアップした場合、5000万円未満の選手を各球団最低2人リストアップしなければならない。
今年は各球団が2巡目にも参加しやすくなるような制度改正が行われ、さらに選手にとってチャンスが広がったと言っていいだろう。
今回はパ・リーグで現役ドラフトの対象になりそうな選手を予想していきたい。
ロッテ・安田は今が一番の移籍のチャンス
【ロッテ】
安田 尚憲内野手(履正社)来季8年目
93試合 317打数77安打 25打点 打率.243 年俸4500万
ドラフト1位として入団し、これまで将来のスラッガー候補として育てられてきた。22年、23年と2年連続で9本塁打を放ったが、ここ2年は0本塁打に終わっている。今季は94試合出場したが、チームには同じサードの上田 希由翔内野手(明治大)など強打者も多い。来季は今年よりも序列が下がり、大きく出場機会が減る可能性はある。ただ、コンタクト力はそれなりに高いので、打球速度、打球に角度をつける打撃が常時できれば、飛躍的に数字を伸ばす可能性がある。
和田 康士朗外野手(小川)来季8年目
17試合 8打数1安打 打率.125 年俸2000万
一軍昇格した20年から5年連続で10盗塁以上を記録していたが、今季初めて0盗塁に終わった。まだ27歳と中堅。打撃が復活すれば、大きな戦力となりそうだ。
【西武】
青山 美夏人投手(横浜隼人)来季4年目
2試合 2回 防御率13.50 年俸1550万
1年目は39試合登板、45.2回と中継ぎながら複数イニングを投げられることを示して、2年目から先発に転向。完封勝利も記録したが、3年目となった今季はわずか2試合登板に終わった。145キロ前後の速球、130キロ後半のスプリット、ツーシームを駆使して抑える投球スタイル。先発・中継ぎどちらでもこなせるユーティリティ投手だ。
岸 潤一郎外野手(明徳義塾)来季7年目
10試合 30打数5安打 0打点 打率.167 年俸1900万
21年は9本塁打を打つなどパンチ力のある強打者として活躍したが、今年はわずか10試合出場に終わり、本塁打も0本に終わった。俊足で強肩。外野守備も良い。右の外野手が少ない球団にとっては魅力的な選手だ。
【楽天】
津留﨑 大成投手(慶応)来季7年目
17試合 1ホールド 27.1回 防御率3.62 年俸1500万
毎年10試合前後登板をしている中継ぎ右腕。今季は17試合に登板し、イニングまたぎもこなした。27.1回を投げ、26奪三振。常時140キロ台後半の速球、鋭く落ちるカーブ、カットボール、フォークで勝負する。好調時の投球を年間通してできれば、40試合前後の登板は期待できそうな投手だ。
伊藤 裕季也内野手(日大三)来季8年目
51試合 117打数25安打 1本塁打7打点 打率.214 年俸1900万
DeNAから楽天に移籍した翌年の23年には5本塁打を打つなど、ここぞという場面では持ち前の強打で活躍してきた。今年は怪我で苦しんで51試合出場に終わった。ファームでは42試合で打率.329と、別格の成績を残している。内野、外野を守れ、パンチ力のある強打者として需要がありそうだ。
【オリックス】
椋木 蓮投手(高川学園)来季5年目
12試合 0勝2敗4ホールド 24.2回 防御率6.93 年俸1200万
21年のドラフト1位で、ルーキーイヤーは、4試合で防御率1.02、17回を投げ、21奪三振と素晴らしい成績を収めた。しかしトミー・ジョン手術の影響で復帰は24年。今季は12試合に登板したが、防御率6.93に終わった。良い時は安定して常時150キロ台の速球、130キロ台のスライダー、フォークで圧倒するパワーピッチャーだ。
福永 奨捕手(横浜)来季5年目
39試合 66打数10安打 打率.152 1本塁打6打点 年俸1700万
今季は自己最多の39試合に出場。プロ初本塁打も記録した強肩捕手だ。1年間、一軍に帯同したが、来季は同じような立ち位置に収まるかは不透明。不調だった森友哉捕手が活躍できる状態となれば、今年のような出番は考えにくい。オリックスは支配下7名、育成2名の9名の捕手がいるが、ドラフトでさらに野上士耀(明秀日立)を獲得した。来季、森、若月健矢に続く第3の捕手に誰を据えるのか。そのまま福永にするのか、それ以外の捕手にするのか。楽天、ヤクルトなど捕手不足の球団もあるので、リストアップされれば、多くの球団が獲得に動くだろう。
【日本ハム】
堀 瑞輝投手(広島新庄)来季10年目
2試合 1.2回 防御率16.20 年俸2800万
かつて日本ハムの中継ぎの一角として活躍し、21年には60試合登板39ホールドで最優秀中継ぎを獲得した。しかし近年は登板機会が減り、今季は2試合登板に終わった。140キロ台後半の速球、130キロ台のフォーク、スライダーで勝負する。再び安定感を取り戻せば、大きな戦力になりそうだ。
松浦 慶斗投手(大阪桐蔭)来季5年目
一軍未登板 年俸650万
昨年、田中瑛斗投手(柳ケ浦)が巨人に移籍して大活躍したように、まだ実績のないポテンシャル型の投手が、現役ドラフトを機にブレイクするケースを今年も期待したい。来季5年目を迎える松浦は140キロ台後半の速球、135キロ前後のスライダー、フォークで三振を奪うパワーピッチャーだ。今季は一軍未登板だが、通算6試合登板で5回5奪三振。今季は二軍で、37回を投げ、35奪三振を記録している。
【ソフトバンク】
岩井 俊介投手(京都翔英)来季3年目
8試合 1ホールド 9.1回 防御率2.89 年俸1500万
ソフトバンクはこれまで水谷 瞬外野手(石見智翠館)、吉田 賢吾捕手(横浜商大)などブレイク前の選手を放出しており、今回もリストアップされる選手に注目が集まっている。まず1人目は岩井。常時150キロ台の速球、パワーカーブで勝負する本格派右腕。中継ぎとして2年間で23試合に登板している。伸び盛りの投手だが、他球団で飛躍を期する考え方もあるだろう。
井上 朋也内野手(花咲徳栄)来季6年目
8試合 24打数3安打 打率.125 1打点 年俸930万
20年のドラフト1位。当時は世代を代表する“超高校級スラッガー”として注目された。1年目から二軍戦、三軍戦で強打を発揮していたが、なかなか一軍での活躍に至らない。今季は一軍8試合出場に終わり、通算28試合で、15安打となっている。二軍では96試合で打率.276、6本塁打、62打点と好成績を残している。本人は「背水の陣で来季に臨む」と語っているが、実際、二軍の成績を見ると飛躍の予感はある。