ローソンは自身の去就、そして“ライバル”角田への想いを隠さずに打ち明けた(C)Getty Images ニュージーランド…

ローソンは自身の去就、そして“ライバル”角田への想いを隠さずに打ち明けた(C)Getty Images
ニュージーランド人ドライバーは、崖っぷちで生き残った。
現地時間12月2日、F1のレッドブルグループは、先延ばしにしていた来季のドライバーラインナップをついに決定。レッドブルは、マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーがコンビを組み、姉妹チームであるレーシングブルズでは、リアム・ローソンとF2から昇格するアービッド・リンドブラッドの布陣でシーズンを戦う意向となった。
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日本国内では、「F1は人生そのもの」と語った角田裕毅(現レッドブル)のシート喪失に無念さは広まった。一方で25歳の日本人ドライバーと“一騎打ち”の様相でグループ残留を争っていたローソンにとっては安堵の決定ともなった。
レッドブルで開幕を迎えた今季はわずか2戦でレーシングブルズへと降格。「もっと時間が欲しかった」と悔しさを滲ませていた若武者だったが、徐々に復調。現地時間12月4日時点でのドライバーズランキングでは、角田を5ポイント差で上回っている。
わずかな差だったのかもしれない。しかし、前戦のカタールGP後にチーム残留の説明を受けたという23歳は、英衛星放送『Sky Sports』で「自分は『全ての物事には理由がある』という言葉を頻繁に考えるんだ。とくに辛い時にはいつも自分にそう言い聞かせている」と切り出し、舞い込んだ“吉報”に想いを馳せた。
「当たり前だけど、開幕2戦の後には、もう終わりだというような考えが頭をかすめた。でも今となっては言いづらいね。このスポーツに携わる者なら誰もが、自分自身の可能性を信じているはずなんだ。自分が誰かに劣っていると思い込んでいたら、ここにいられない。正直、僕にとって、レッドブルでの2レースは……ほとんど記憶にないほど短かった。でも、『全ての物事には理由がある』という言葉は時々真実だと思う。パーメイン(レーシングブルズの代表)から残留を聞いた時は嬉しかった」
そして、「今は、何よりもホッとしている。最後にこんな気持ちになったのはいつだったか思い出せないくらいだ」と安堵感を口にしたローソン。今季のコンストラクターズランキングで6位と躍進するレーシングブルズでの小さくない貢献が評価された結果を前向きに捉えた。
一方で、ローソンは、かつての同僚でもあった角田の降格には、“同業者”としてシビアな持論をぶつける。「常勝軍団」とされるレッドブルの異質な環境を「正直、かなり複雑だと思う。ただ、同時にここで得るような機会を永遠に得られないドライバーも大勢いる」と説くニュージーランドの新鋭は、端的に論じている。
「ユウキはこのスポーツで数年間を過ごしてきた。F1はとても過酷な世界だ。僕自身もそれを痛感しているんだ」
無論、来季に結果が残せなければ、F1からの更迭、ひいては角田との電撃的な交代もあり得る。それだけに「オフシーズンを、明確な計画を持って過ごせるのは前向きになれる」と豪語するローソンがどう変貌するかは興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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