日本高校野球連盟(日本高野連)は5日、大阪市内で理事会を開き、検討中だった高校野球の7イニング制について、引き続き議論を…
日本高校野球連盟(日本高野連)は5日、大阪市内で理事会を開き、検討中だった高校野球の7イニング制について、引き続き議論をしていくことを決めた。
7イニング制については日本高野連内に作られた「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」で今年1年10回にわたって議論された。日本高野連の井本亘事務局長が方向性を出すとしていた12月の理事会へ向けて議論される中で、最終報告書を作り理事会にはかった。ただこの日の理事会では引き続き議論していくと決めたにとどまり、最終報告書を軸に来年も議論されることとなった。
最終報告書では、「7イニング制の採用は、日本高等学校野球連盟が現在、未来にわたり、取り組むべき課題を完全に解決する訳ではないが、課題解決ならびに改善を目指すうえで極めて有効であると本会議では結論づけた。ただし、7イニング制採用について様々な懸念や、まだ議論していない課題や検討事項があることを理由に賛成できないとする意見もあったことを申し添える」と冒頭に総括。
その上で、「現在加盟校で活動する部員達は、高校野球は9イニング制という前提で入学しており、部員達の心情を考慮すると、全ての公式戦での7イニング制の採用は移行期間を設ける必要があるとの声もあり、全ての公式戦での7イニング制採用は、現在の中学3年生が高校3年生となる2028年の第100回記念選抜高等学校野球大会ならびに各都道府県高等学校野球連盟の春季大会から採用することが望ましいとした。さらに2028年までに、加盟校や高校野球ファンに対して、7イニング制を採用する意図や有効性について説明を尽くし、広く周知することを求める」と2028年をめどに全ての公式戦で導入を進めていく方針も示した。
ただ、「高校野球が直面する差し迫った課題の一つに、年々厳しさを増す全国高等学校野球選手権大会における熱中症対策があり、酷暑への対策は待ったなしの状況である。したがって、全国高等学校野球選手権大会においては、地方大会を含め可及的速やかに7イニング制の採用が望まれる」とも示し、早ければ来年夏の選手権大会で先行導入される可能性にも含みを持たせた。
日本高野連の理事会は来年1月以降の会議で議論を重ねるが、7イニング制に全面反対して廃案にしようという動きは感じれず、将来的な7イニング制導入へ向けた道筋は作られた。
来年高校1年生になる現在の中学3年生は、自分たちが高校3年生になる2028年には7イニング制が導入される可能性が高いと思って準備を始めたほうが良さそうだ。