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■2007年1月から続いたNBA歴代最長記録がストップ


 ロサンゼルス・レイカーズは、12月5日(現地時間4日、日付は以下同)に敵地スコシアバンク・アリーナでトロント・ラプターズ戦へ臨み、八村塁の値千金の3ポイントシュートがヒットし、123-120で劇的な勝利を飾った。

 この日レイカーズは、リーグトップの平均35.3得点に8.9リバウンド8.9アシスト1.6スティールを誇るルカ・ドンチッチが個人的事情のため欠場。トップスコアラー不在の中、オースティン・リーブスがゲームハイの44得点に5リバウンド10アシスト、ディアンドレ・エイトンが17得点8リバウンド2ブロック、ジェイク・ラレイビアが14得点7リバウンド2スティール、八村が12得点3リバウンドを記録。

 そして今シーズン6試合目となったレブロン・ジェームズは、キャリア23年目で最長の35分58秒コートに立ち、チーム2位の17本のショットを放った。だが決まったのは4本のみで成功率は23.5パーセント、3ポイントは5本とも落とし、フリースローも獲得できずに8得点に6リバウンドで終わった。

 それでも、プレーメーカーとして八村の決勝弾をアシストするなど両チーム最多の11アシスト。ターンオーバーも今シーズン最少のゼロに抑え、レイカーズの勝利へ貢献した。

 レブロンは第4クォーター残り1分46秒にショットを決めるも、同点で迎えた残り1分1秒にはフェイダウェイジャンパーをスコッティ・バーンズにブロックされていた。

 同点で迎えた最後のポゼッションで、ダブルチームに遭ったリーブスのパスをトップ下で受けたレブロンは、ドライブを仕掛けてフィニッシュあるいはファウルを獲得してフリースローをもらう選択肢もあったのだが、相手ディフェンダーを引き付けて左コーナーにいた八村へパスをさばき、劇的な勝利を演出。

 このラプターズ戦で8得点に終わったことで、レブロンは2007年1月7日から今年12月2日まで続いていたレギュラーシーズンの連続10得点以上の記録が1297試合(NBA歴代最長記録)で途切れた。

 試合後、この連続記録が途切れたことについて聞かれた40歳の大ベテランは「何もないね。俺たちは勝ったから」と語り、こうも口にしていた。

「正しいプレーをするだけだ。常に正しいプレーができるんだ。それが俺のやり方でね。そうやってゲームを教わってきた。俺はキャリアを通じて、ずっとそうしてきた」

 記録はいつか途切れて、誰かが超える日が訪れる。といっても、レブロンが保持するレギュラーシーズン連続2ケタ得点試合数1297は、NBAにおける金字塔の1つと言っていい。


 レブロンの記録が途切れたことで、現役最長はケビン・デュラント(ヒューストン・ロケッツ)の267試合になった。だが、デュラントがレブロンの記録を超えるためには1031試合連続して10得点以上を残し続けなければならず、そのためには82試合にフル出場できたとしても約13シーズンも必要になる。

 リーグにはドンチッチやシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)、タイリース・マクシー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ドノバン・ミッチェル(クリーブランド・キャバリアーズ)という平均30.0得点超えのスコアラーがいるが、出場した試合で常に10得点以上を奪うのは並大抵のことではないのは明らか。

 前回レブロンが1ケタ得点に終わったのは、2007年1月6日のミルウォーキー・バックス戦の8得点。現役選手たちのうち、当時もリーグにいたのはデュラント、マイク・コンリー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ジェフ・グリーン(ロケッツ)、アル・ホーフォード(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、カイル・ラウリー(シクサーズ)、クリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)の6人のみ。

 そしてラプターズ戦も含めたレギュラーシーズン通算1568試合のうち、レブロンが1ケタ得点に終わったのは9回のみで、NBAファイナルへ進出した回数(10回)をも下回るのだから驚きでしかない。これは、レブロンがどれだけ長期間にわたってトップレベルを維持してコートに立ち続けてきたかを端的に表わす記録と言っていいはずだ。

【動画】レイカーズ対ラプターズ戦の残り約4分間をハイライトで!