日本高校野球連盟の「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」は5日、2028年の第100回記念選抜大会をめどに、以降は…
日本高校野球連盟の「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」は5日、2028年の第100回記念選抜大会をめどに、以降は軟式・硬式の全公式戦で「7イニング制を採用することが望ましい」などとする最終報告書を理事会に提出した。
7イニング制について、現場の指導者はどう考えているか。
今夏の甲子園で優勝した沖縄尚学の比嘉公也監督は「選手だけではなく審判や運営役員、観客のことも考えて検討していると思う。決められたルールに合わせる」と話す。
ただ「反対派が多いのに7イニング制に変えると、かえって野球離れが進むのでは」と懸念した。
2023年、7イニング制で行われるU18W杯で高校日本代表の監督を務めた明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は「選手の出場機会が減ってしまう。八回以降に戦術が生き、野球の醍醐(だいご)味もあるとも思う」と9イニング制を支持する。
「まず先に、監督が審判に選手交代を申告できるようにするなど他の時間短縮の施策を実行してほしい」と希望した。
22年夏に全国優勝した仙台育英の須江航監督は、7イニング制の中学軟式で指導経験がある。
「議論の過程を把握していないのでコメントできる立場にない」とした上で、「大人だけの意思決定で何かを決めることのないようにしていただけたら幸いです。強豪私学に限らずすべての境遇の生徒のみなさんが意見を言えるよう、議論の場を設けることはできないでしょうか」と語った。
公立校の意見はどうか。部員18人の宮古(沖縄)の具志飛馬監督は反対派。「先人たちが積み上げたドラマと歴史は変えるべきではない。強豪私立に短いイニングで投手をつぎ込まれたら、さらに戦力差が出る」。
一方で、部員12人の大山(東京)の馬場拓己監督は「7イニングなら息切れせず最後まで戦いやすい。人数が少ないなかで選手交代が必要になっても、7回ならやりくりができる」と賛成した。