今週の土曜日は、阪神競馬場で鳴尾記念(GIII・芝1800m)が行われます。 昨年までの鳴尾記念は6月に開催されてい…
今週の土曜日は、阪神競馬場で鳴尾記念(GIII・芝1800m)が行われます。
昨年までの鳴尾記念は6月に開催されていましたが、今年から12月の阪神芝1800mに舞台が変わっています。ここでは06年以降に12月の阪神芝1800mで開催された重賞(計11レース)を対象に傾向を探っていきたいと思います。
データ対象の11レースで特筆すべき傾向としては、前走からの出走間隔です。データ対象の11レースでは前走から中10週以内の馬が9勝2着12回3着9回(14年のチャレンジCで2着同着、07年の鳴尾記念で3着同着あり)となっています。
12月は厳寒期で気温が下がるため、調整が難しい時期になります。コンスタントに使われている馬ならば調整もしやすいのでしょうが、休み明けの馬は仕上げに苦労しやすいことから、このような傾向になっていると考えられます。
前走から大きく間隔が空いている馬については、仕上がり途上で本来の能力を出し切れない可能性も考慮する必要があると言えるかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走から中11週以上(ただし、前走がGII以上だった馬は除く)
[0-0-0-11]複勝率0%
該当馬:オールナット、オニャンコポン、グランヴィノス、デビットバローズ、ラーグルフ
※特に言及のない限り、06年以降に12月の阪神芝1800mで開催された重賞(計11レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるグランヴィノスが該当しました。
データ対象の11レースで、前走から中11週以上の間隔で出走した馬は【2-0-2-13】となっています。馬券に絡んだのはすべて前走でGII以上に出走していた馬。GII以上に使われている馬は、それだけの実績を残している実力馬と言えます。前走から大きく間隔が開いていたとしても、高い能力があれば好走する可能性は残ると言えそうです。
該当馬に挙げたグランヴィノスは前走から中11週で出走。その前走はGIIIのチャレンジCですから、過去の傾向からすると大きな期待はかけづらい1頭と言えます。また、これまでGII以上で好走した実績もありませんので、休み明けをカバーできるだけの高い能力を示す実績もありません。
前走のチャレンジCでは2着に好走していますが、対戦メンバーのその後を見ると、重賞で大敗する馬が少なくありません。4着だったサブマリーナは次走の京都大賞典で16着。5着のイングランドアイズも次走の福島記念で15着と惨敗を喫しています。このことから前走は相手関係に恵まれた可能性もありますので、その時の着順は鵜呑みにしない方がいいかもしれません。
さらに、グランヴィノスは前走がハンデ戦で56キロでの出走でしたが、今回は別定戦で57キロと斤量が増えます。休み明けに加えて斤量増と克服しなければいけない課題が山積しています。
人気がなければ大きなリターンに期待ができますので、多少のリスクには目をつぶるだけの価値はあります。ただ、今回のグランヴィノスは上位人気が有力で配当的な妙味は感じられません。ハイリスクにもかかわらずローリターンであるならば、グランヴィノスの評価は下げて馬券を組み立てる方が得策になるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。