◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 2日目(5日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)「もう奇跡…
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 2日目(5日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)
「もう奇跡が起きてほしい」。逆転賞金王へ優勝必須の大会を首位と6打差で発進し、蝉川泰果は弱音を吐いた。携帯が鳴ったのはその初日を終えてのこと。ツアー20勝の谷口徹からのメッセージだった。「奇跡は起きるものじゃなくて、起こすものだろう」。57歳の言葉がふたたび闘志に火を点けた。
大会2日目は前週「カシオワールドオープン」の3日目に投入し、「64」につなげたピン型のエースパター「ピン PLD ミルド アンサー パター」にスイッチしてスタート。開始1番のバーディ先行から、前半を1アンダーで回った。「こんなに曲がったのは初めて」と言うほどのショットの不調を、パットでカバーする内容だった。
12番、15番(パー3)でボギーをたたいて迎えた17番(パー5)。183ydからのセカンドショットを7Iでグリーンに乗せ、6mのスライスラインを沈めた。優勝戦線に踏みとどまる起死回生のイーグルに、「最後の最後で、我慢してきたご褒美が来た。今日はパッティングで耐えました」と振り返った。
週末を前に首位と5打差の6位につける。ランク1位の金子駆大は1アンダーの11位で、賞金王レースの結果は最終日までもつれ込みそうな展開だ。プレー中もリーダーボードは意識していたという。「そこ(賞金王)は目指しているところ。優勝だけを目指すのは本当に久しぶりな感じ。そこに向けて、頑張りたいなと思っている」と意気込んだ。
加えて、今週勝てば22年「日本オープン」、23年「日本シリーズ」、今年6月「日本ツアー選手権」に続く日本タイトル4勝目になる。4勝達成となれば、1973年のツアー制施行後では史上11人目。その前の達成者は2012年の谷口だ。奇跡へ布石は打たれた。(東京都稲城市/合田拓斗)