攻守に多くのタレントが加わっているWBCの米代表(C)Getty Images 覇権奪回への布陣が着々と固まりつつある。…

攻守に多くのタレントが加わっているWBCの米代表(C)Getty Images

 覇権奪回への布陣が着々と固まりつつある。現地時間12月3日、カブスのマシュー・ボイドが、米野球専門ポッドキャスト番組『Foul Territory』内で、来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に米国代表として出場することを明かした。

【動画】何度見ても飽きない!「大谷VSトラウト」をもう一度チェック

 番組出演の数週間前にマーク・デローサ監督からの電話で出場の打診を受けたというボイドは「国を代表すること、ビッグリーグを代表することは本当に名誉。プレーするのが待ち切れない」と意欲を示した。

 連覇を目指す侍ジャパンも、大谷翔平(ドジャース)が2大会連続の出場を表明。戦力は整いつつあるが、2大会ぶり優勝を目指す米国代表の動きは速い。4月にはヤンキースのアーロン・ジャッジが、キャプテン就任とともに大会初出場を明言。その後、今季に60本塁打したマリナーズの名捕手カル・ローリー、ロイヤルズのボビー・ウィットJr.、そして今季ナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたパイレーツのポール・スキーンズと、出場を表明する大物選手が続いた。

 オフに入っても、MLBアワーズにおいて、カブスのピート・クロウ=アームストロングと、ダイヤモンドバックスのコービン・キャロルの両外野手が出場を表明。さらに救援右腕のレッドソックスのギャレット・ウィットロックも続いた。

 各代表チームでも、ベネズエラに名捕手サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)が、プエルトリコにフランシスコ・リンドーア(メッツ)ら、出場を表明した大物選手はいるが、日本同様に1~2人程度。ここまで明確に陣容が固まっているのは米国代表だけだ。すでに投手3人、捕手1人、内野手1人、外野手3人と、計8選手が出場を表明している。

 そして新たに参加が決まったボイドも実績は十分だ。カブスでプレーした今季は先発ローテーションから一度も外れることなく、31試合に先発。リーグ4位の14勝(8敗)を挙げ、防御率3.21(リーグ7位)、WHIP1.09(リーグ6位)という好成績を残し、メジャー11年目にして初となるオールスターにも選出された。安定して試合を組み立てる遅咲きの「イニングイーター」だ。

 連覇を目指した前回2023年大会の米国代表は、野手陣は過去最高のレベルを誇った。一方で先発投手陣はメリル・ケリー(ダイヤモンドバックス)、マイルズ・マイコラス(カージナルス)、ランス・リン(ホワイトソックス)、アダム・ウェインライト(カージナルス)ら中堅からベテランが中心で、トップレベルとは言い難かった。

 各ポジションで隙のない布陣を目指す米国代表。野球発祥の地が本気で頂点を獲りにきている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】オオタニは打てない――元米スカウトが証言した大谷翔平への“レッテル” 覆った“高校レベル”の前評判「打てる選手と見てなかった」

【関連記事】メジャー現地の声は村上、岡本より、今井達也! 米メディアのFA格付けで西武の27歳右腕が軒並み最高評価

【関連記事】米球界で「6年231億円」と評価爆騰の今井達也 エース流出でも西武が動いた理由 ヤ軍も参戦する“リスクの小さい契約事情”