レーシングブルズで生き残ったローソン。なぜ彼は角田よりも評価されたのか(C)Getty Images 角田裕毅にとって無…

レーシングブルズで生き残ったローソン。なぜ彼は角田よりも評価されたのか(C)Getty Images
角田裕毅にとって無念の決定だ。
現地時間12月2日、F1の名門レッドブルは、姉妹チームのレーシングブルズを含めた来季のドライバー陣容を正式決定。今季限りで契約満了となる角田はシートを喪失し、テスト兼リザーブドライバーに回る形となった。
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愛着のあった姉妹チームでも居場所は得られなかった。レッドブルのシートには、唯一契約更新を行っていた“絶対的エース”のマックス・フェルスタッペンに加えて、セカンドシートにはレーシングブルズで飛躍を遂げた“新人”アイザック・ハジャーが抜擢された。
そして、レーシングブルズでは、リアム・ローソンがシートを維持。その相方には今季のF2王者となった“超新星”アービッド・リンドブラッドを起用された。両チームともに成長著しい若手の“成長”が優先されたと言えよう。
一連の編成において小さくない注目を集めたのは、角田ではなくローソンが生き残った点だ。レッドブルのローラン・メキース代表が「彼の人柄は人を惹きつけ、レッドブルファミリーにとって特別な存在」と、舞台裏での貢献も高く前者を、いわば3番手となるリザーブに降格させた理由は何だったのか。
23歳のニュージーランド人ドライバーがシート残留を果たした背景は、チーム関係者のコメントからも浮かび上がる。レーシングブルズの代表を務めるアラン・パーメイン氏は、F1公式サイトのインタビューで「リアムには才能があった。とてつもない才能がね。私の使命は、すべてがうまくいっている時に、彼が最大限のレベルで活躍できるようにすることだ」と断言。ローソンに対する率直な評価を語っている。
「ラスベガスでの予選、そしてバクーでの予選など、最も困難な状況の中でも彼は優れたパフォーマンスを発揮し、本当に力強いレースを見せてきた。彼にはそれだけのことができる能力があると私は知っているし、彼自身もそれを自覚している。リアムがマシンに乗るたびに、最高のレベルに到達できるよう、私は努力していきたい」
パーメイン氏の意見を鵜呑みにする限り、角田との一騎打ちの様相を呈していたレーシングブルズのシート争いは、ローソンの“伸びしろ”が優先されたと言えるかもしれない。
もっとも、ローソンも立場が完全に確立されたというわけではない。母国メディア『Stuff』は「ローソンがリラックスできる時間は長くはない。2026年も彼は決して安泰ではない」と断言。「フルシーズンとなる2年目も山あり谷ありでは、タダでは済まない。ポイントランキングでチームをリードできなければ、F1キャリアは終わる」と論じ、リザーブに回った角田との交代もありえるという見解を示した。
相当な議論が交わされたであろう今回の人事。その成否は、来季F1を見る上での大きな注目要素となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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