◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日(4日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆…
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日(4日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆1581人)
最終戦までもつれ込んだ賞金王争いは、予想外の静かな出だしとなった。30人に絞られたフィールドで、ランク3位の蝉川泰果が首位と6打差の1アンダー10位。同1位の金子駆大は2オーバー23位、同4位の大岩龍一は5オーバー26位の出遅れ。蝉川と大岩の逆転には優勝が必須のなか、早くも暗雲立ち込める展開となった。
2023年以来の大会2勝目、初の年間タイトルを狙う蝉川は後半15番(パー3)までを2オーバーで回った。「組でも前半はそういう(賞金王争い)の雰囲気があったんですけど、かえって後半はそこの緊張感はなかった」と言う。16番でバーディが来ると、17番(パー5)、18番(パー3)と3連続でアンダーパーまで引き戻した。
試合前に受けた大先輩の助言が終盤の巻き返しにつながった。現場に来ていたのはツアー20勝の57歳・谷口徹。プレー時の心持ちについてたずねると、「一喜一憂しない。曲がったらボギーにできるマネジメントを取ればいい。バーディでも、まあまあと。そんなに気持ちを入れ過ぎずに」と言われた。実際にスコアに応じて気持ちが上下する課題を感じていた分、言葉が響いた。
それでも、難関コースでの6打差発進は相当に不利と感じる。「キツイです…」と正直に言った。「6打差は簡単じゃない。もう奇跡が起きてほしい。自分の課題の修正はもちろん、多少運もあると思う。やることをやって、あとは入ってくれたら」と人事を尽くす所存だ。
大岩は2バーディ、7ボギー「75」と荒れた。前週「カシオワールドオープン」でプロ初優勝をあげた27歳は、“優勝必須”がいかに厳しいかを分かっていた。「ぶっちゃけると、最初から無理だとは思っていた。僕はまだそんな立場じゃない。わりと、今日であきらめがついた」と話す。
「それでも、そういう状況で回れたのはいい経験ではある。明日からは、また次の自分のゴルフの課題に取り組めそうです」と現状を受け止めて前を向いた。
逃げ切りを図る金子は、前半こそ1アンダーだったが、折り返しの10番でダブルボギーをたたくと、続く11番もボギーと連続でスコアを落とした。蝉川と大岩の結果次第で賞金王は決まるものの、それは納得のいく形とはいえない。「緊張は全然なかった」と言う。「今日かみ合わなかった部分を修正して、明日頑張りたい」と話した。(東京都稲城市/合田拓斗)
<賞金王戴冠の条件>
・蝉川、大岩/優勝が絶対条件
・金子/蝉川優勝なら→5人までの2位タイ、2人までの3位タイ以内、大岩優勝なら→7人までの2位タイ、3人までの3位タイ以内