柏レイソルのリカルド・ロドリゲス監督(51)は逆転優勝を信じて疑わない。3日、最終節のFC町田ゼルビア戦(三協F柏、午後…
柏レイソルのリカルド・ロドリゲス監督(51)は逆転優勝を信じて疑わない。3日、最終節のFC町田ゼルビア戦(三協F柏、午後2時)に向け、強度の高いトレーニングを行った模様。その後にクラブハウスで会見に臨み、いつも以上に熱のこもった口調と身ぶり手ぶりで、現在の思いやチーム状況について話した。
「最終節に勝ち、そして優勝して今シーズンを終わりたいというのがあります。試合に勝ったとしても2位に終わったとしたら、もちろん素晴らしいシーズンと捉えることはできると思いますけど、私は満足した形でバケーションに行くことはできない」
故郷スペインのオビエドに所属していた頃、元スペイン代表の名将ルイス・アラゴネス監督が言っていた言葉を口にした。「彼は言った。どんなにいいプレーをしても、2位は誰も覚えていないと。それがすべてだと思います。優勝しなければいけないと私も思っています」
優勝への意欲をむき出しにした。結果が付いてきてこそ“あの時のレイソルは強かった、おもしろかった”となるということ。歴史に刻むことで、指揮1年目でJ1を席巻した今季のプレーを風化させない。選手たちともその思いを共有。「我々がやってきたこと、やるべきことがすべて求められる試合になる。それをしっかりやれば勝つ可能性は十分あるというメッセージを伝えました」。
2011年シーズン以来のタイトルは、町田に勝つことが大前提だ。その上で、勝ち点1差で首位の鹿島アントラーズが引き分け以下なら逆転優勝が転がり込む。もちろん対戦相手の町田は簡単な相手ではない。実際に5月17日のアウェーでは0-3と完敗している。高さや強さ、速さを生かしたインテンシティーを前面に押し出すスタイルの相手。マンマークでタイトに来ることも想定した上で、準備を進めているようだ。
「町田に勝つためにいはパーフェクトな試合をしなければいけない。そういう意味でも今週、選手にやってほしいことは試合で自分たちのプレーに集中すること。目の前の試合に勝つためにやるべきことをやる。そこの集中力というのが重要になってきます」
同時刻のキックオフ。鹿島の動向は本拠地・三協F柏でも逐一、スタンドに居るサポーターの反応でピッチの選手に伝わるかもしれない。そこで大事になってくるのが、リカルド監督曰く「集中力」だという。
「いつもの90分とは違った形での集中力が重要になる、ということは選手たちに伝えたいし、その心持ちで最終節に臨まなければいけない」
11月1日のルヴァン杯決勝でサンフレッチェ広島に1-3で敗れたのは、いい教訓になっているという。小柄な選手が多く地上戦で戦う柏に対し、広島は高さや強度を生かしてセットプレーから得点を重ねている。その敗北を分析し、上回っていくべく戦術をチームに託した。ロングスローやプレスキックを武器にゴール前に圧力をかけてくる町田は、むしろ願ったりの相手となるかもしれない。
「我々にとってこの町田戦は赤点というか、取り残した単位のようなもの。これを取らないと卒業できない、まさしく追試という形。シーズン最後に残された追試だから、これで合格点を取ることによって、最終的に将来に向けた大きな一歩を踏み出せる。そう思っています」
自信に満ちあふれた物言い。リカルド・ロドリゲスのあふれんばかりの情熱は止まらない。師走の日本サッカー界に、太陽王の熱波が押し寄せている。【佐藤隆志】