高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさ…

高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。

 明治神宮大会で準優勝した神戸国際大付(兵庫)の宮田 卓亜投手(2年)は、近畿大会でノーヒットノーランを達成した。終盤は雨のなか、足元のコンディションが悪い中でも、しっかり自分の投球を見せて、橿原学院(奈良)を封じ込めた。

 初回立ち上がりから2者連続三振でスタート。2回も先頭打者から2者連続三振。7番からの下位打線となった3回には3者連続三振を奪い、立ち上がりから9人中7人から三振を奪う快投だった。7回まではパーフェクトに抑え、8回先頭打者に四球を与えて初めて走者を背負うが、落ち着いて後続を打ち取った。9回にも1死から四球を与えたが、雨にも負けず最後まで安打を許すことはなかった。

 下半身が鍛え上げられている。ユニフォームがはち切れんばかりに、お尻から太ももまでががっしりしている。この「土台」をもとに、安定した投球をするのが特徴。下半身をテークバックでややひねることで上半身のパワーを生み出すことができている。鍛えていないとできないことだが、実戦でもしっかりものにできている。直球の球質は重く感じられ、スライダーも低めに決まった時は切れ味が鋭い。

 さらに時折、追い込んでからクイックモーションで投げるなど、投球フォームでの「緩急」もつけて、打者を惑わせた。配球にプラスして投手としての総合力も十分兼ね備えている。

 明治神宮大会では決勝の先発に起用された。期待を背負った舞台だったことも災いしたか、コントロールが定まらず打者6人に3四球を与えるなど、本領を発揮出来ずに1回をもたずに降板した。悔しい結果に終わったことを糧に、センバツで成長した姿を見せてほしい。