シート喪失が決まった角田には、様々な評価が飛んだ(C)Getty Images F1レッドブルの来季ラインナップが決定し…

シート喪失が決まった角田には、様々な評価が飛んだ(C)Getty Images
F1レッドブルの来季ラインナップが決定し、角田裕毅はレギュラードライバーの座から離れることとなった。マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーがコンビを組み、さらに、姉妹チームであるレーシングブルズでは、リアム・ローソンとF2から昇格するアービッド・リンドブラッドの布陣でシーズンを戦う。また、角田がレッドブルのテスト兼リザーブドライバーという役割を担うことも発表されている。
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噂で囁かれていた通り、角田がシートを失った。チーム首脳陣が下した、ハジャーのトップチーム起用、リンドブラッドの抜擢も含め、今回の決断には様々な反響が上がっている。英メディア『The Race』の各解説者が今回に決定について私見を述べており、角田の処遇についてもやはり意見が分かれるなど、それぞれに複雑な感情が滲む。
ゲイリー・アンダーソン氏は、「本音を言えば、ハジャーにはレーシングブルズであと1年走らせて粗削りな部分を整えさせたかった」と打ち明けており、弾き出される形となった日本人ドライバーに関しては、「ツノダの後半戦での改善は事実だが、フェルスタッペンにはまったく及ばなかった。レッドブルが“再び2台体制として機能する”ためには、安定してポイントを取れるポテンシャルのある人物が必要だった」と主張。「ハジャーがその人物かどうかは、時間が答えを出す」などとしている。
また、ジャック・ベニオン氏は今季、F1で走った3人を比較。「ハジャーは良いシーズンを送った。だがツノダと走った2戦はもちろん、ローソンと比べても“明確にレベルが違う”とは言えなかった。レッドブルはローソンをわずか2戦で“失格”扱いしたが、そう思うほどハジャーは突出していない」と断じている。
スコット・ミッチェル=マルム氏からは角田を擁護するコメントも。「レッドブルで人々が思っているより良い走りをした時期もあった。だが、総合的に見れば十分ではなかった」と評した上で、「ただし、その責任の一部は彼自身と同じくらいレッドブル側にもある」と指摘する。その理由として、「途中で逃したポイントや機会の中には、レッドブルのミスが原因のものもある。より大きな誤りは、ツノダを“シーズン途中”で投入したことだ。本来なら昨年末の時点で選ぶべきだった」と説明。
一方で、シビアな見解を示すのは、ジャック・コーゼンズ氏だ。同じく、角田のシーズン中でのレッドブル入りについて言及。「彼は断れない状況で、非常に厳しい任務を引き受けた。しかも“誰かが失敗した後始末”として。そして前任者よりは良い仕事をした」と振り返りつつも、「だが残念ながら、それが“十分に良い”とは言えなかった」と訴え、さらには、「古風な言い方になるがF1は結果がすべてだ。ツノダはその結果を残せなかった。これが現実だ」と強調している。
いずれにせよ、角田にとってはシート喪失という、極めて厳しい結末を迎えることとなった。そして、今季最終戦、アブダビGPがF1キャリアでの1つの区切りとなる。今週末の3日間、そのパフォーマンスには、多くの視線が注がれることも間違いないだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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