阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番・大坂尚子記者が…

 阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番・大坂尚子記者が定期的に語る「虎バン主義。」。今回で高野アナウンサーが卒業するということで、これまでを振り返りました。

 大坂 高野さんは2015年2月から担当し、今回で一区切りになります。この10年、いかがでしたか。

 高野 このコーナーを担当する前から阪神を見てきていますが、チームは15年オフの金本知憲監督の就任がターニングポイントだったと思っています。

 大坂 球団として、スカウティング力とコーチング力を向上させる「骨太のチーム」方針を掲げた頃ですね。

 高野 毎年優勝を目指し、FA(フリーエージェント)権を獲得した選手や外国人での補強を多くしていたところからの転換で、球団として一つにまとまった印象を受けました。当時、金本監督も「超変革」をスローガンに掲げ、編成と育成を重視。監督が代わっても、それらを続けたこの10年だと思っています。

 大坂 今では投打に生え抜きが多く、23年はリーグ優勝と日本一、今年も2年ぶりのリーグ優勝を果たしました。FA権を獲得した主力も、昨年は大山悠輔選手が宣言しながらも残留し、今オフは近本光司選手が宣言せずに残留。2人が話していたのは、甲子園球場での応援のすごさ、つまりファンへの愛着でした。

 高野 色々な意味で良い球団になっているということですね。一アナウンサーだけど、負けたら悔しいと思わせてくれたのが阪神。優勝を見られたのはうれしい。そういう意味でも金本さんの存在は大きいですね。選手としても、監督としてもチームの空気を変えた人だと思っています。そして、オールタイガースで強くした10年を紙面で担当できたなと思っています。

 大坂 高野さんは千葉県出身です。幼少期から阪神ファンではなかったですよね。

 高野 そうです。しかも当時は阪神が暗黒時代でした。ただ仕事で関西に来て、取材をするうちに、愛着がわきました。

 大坂 このコーナーで意識していたことはありますか。

 高野 テレビ中継もそうですが、阪神に詳しくない人も読むかもしれないというので、興味を持つきっかけ作りになればと思って話していました。関西出身ではないからこそ感じるのは、タイガースは関西の文化ということ。甲子園のあの熱量のある応援は独特です。今更……と感じる人はいるかもしれないけど、今からでも触れてほしい。この紙面は卒業しますが、これからも変わらず、その意識で実況していきたいです。